明治4年(1871)10月16日、興譲館洋学舎の語学教師として招聘された英国人チャールズ・ヘンリー・ダラスが米沢に着任して150周年となることを記念して、9月9日(木)から9月22日(水)まで、米沢市役所1階市民ホールにおいて「米沢牛の恩人 チャールズ・ヘンリー・ダラス展」が開催されています。主催したのは米沢ダラス協会(尾﨑世一会長)で、C.H.ダラスをテーマにした展覧会は米沢市では初の開催となります。
会場には大型パネル12枚と小型パネル8枚の計20枚、他に米沢牛の幟や駒などが展示されました。展示内容としては、C.H.ダラスの誕生から、上海、横浜、米沢などのそれぞれの時代の生活や、トピックス、業績などについて、写真、図、古文書などを駆使しながら、時系列でC.H.ダラスの全体像を紹介しています。
このうち米沢時代では、C.H.ダラスから直接学んだ洋学舎1回生、売間孝之助が明治5年と日付のある米国歴史の単語帳は、C.H.ダラスの米沢での教師時代を彷彿させるものとなっています。また米沢城下絵図をもとに、洋学舎のあった場所も示されています。C.H.ダラスが任期を終えて横浜に戻る時、生きた牛を引っ張っていき、仲間にご馳走したところ美味と評判になり、米沢牛の取引が始まるきっかけとなり、「米沢牛の恩人」と称されるようになりました。
今回の展示で注目されるのは、これまで不明だったC.H.ダラスは小学生時代にどのような環境で学んだのかや、明治18年(1885)、なぜ横浜から上海に戻ったのかなど、初めてその理由が明らかになったことも紹介しています。
来月10月15日には、市立米沢図書館が入るナセBAの東通りを「チャールズ・ヘンリー・ダラス通り」とする命名式典が開催されることになっており、米沢牛の恩人C.H.ダラスのことが改めて市民の関心を呼びそうです。
会期は9月22日までの市役所開庁時間に、自由に見学できます。(最終日は午前中まで)。