やまがた県南アマチュア無線クラブ(澁谷信行会長)は、令和3年11月28日、置賜総合文化センターを会場に、「米沢アマチュア無線フォーラム」を開催し、アマチュア無線家20人余りが参加しました。このフォーラムは、無線に関する活動の紹介や実践発表、情報交換と技術交流を目的に開催したもので、山形県内では初めてのイベントとなります。
開会行事に続き、アマチュア無線機器メーカーのアイコム株式会社が、HFバンドからUHFバンドまでをカバーする人気モデルのトランシーバー「IC-705」の概要をオンラインで講演しました。
続いて同クラブの活動事例発表として、「5.6GHz帯を使用したATV(テレビ)の製作と通信実験」、「東北初の体験局8J7YAAの取り組み」の2件が行われました。
特に、体験局は科学技術や無線技術に対する理解と関心を深めることを目的に、令和2年からスタートした制度で、アマチュア無線の有資格者のもとで、無資格者が特段の手続きなしにアマチュア無線の操作体験ができ、同クラブは昨年7月の開局以来、市内外で3回の運用を行いました。小・中学生に体験をしてもらい好評を博しています。当日は参加者の前で、実際に体験局の運用が行われました。
続く技術講話では、第一級陸上無線技術士、第1級アマチュア無線技士の資格を有する同クラブ会員の玉橋博幸さんが、「優しい《dB》の話」と題して、dBの定義、計算法、アンテナの利得などについて解説しました。
最後に、アマチュア無線雑誌のCQ ham radio誌・記念局INFORMATIONを担当する小野寺俊哉さんが、「最近の記念局の動向」と題してスペシャルトークを行いました。
会場では、トランシーバーのIC-705やアンテナの展示、同クラブ員が製作した5.6GHz帯ATVの送・受信機などが展示され、参加者は情報交換や技術交流を行っていました。
同クラブでは、今後、このフォーラムを南東北3県まで広げて開催したいと考えています。新型コロナにより行動が制限される中で、かつて趣味の王様と言われたアマチュア無線の楽しみ方を広く紹介して、アマチュア無線人口の拡大に寄与したいとしています。