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やまがた県南アマチュア無線クラブ(澁谷信行会長)は、第2回「米沢アマチュア無線フォーラム」を令和4年11月27日、米沢市の置賜総合文化センターで開催しました。このフォーラムは、同クラブ員やアマチュア無線家の無線技術力の向上を図るとともに、市民に対してアマチュア無線に対する関心を喚起し、その面白さを紹介しようと開催したものです。
フォーラムでは開会行事に続いて、無線機器メーカーのICOM(アイコム)社の高岡奈瑞(なみ)氏 (JK3AZL)が講演を行い、「ICOM SHF Project 〜IC-905の魅力〜」と題して、同社が現在開発中のIC-905の開発秘話や、多彩な機能と楽しみ方などについて、オンラインで講演を行いました。高岡氏は、SHF帯では同軸ケーブルの伝送損失が最大の課題となることから、無線室で操作するコントローラーからLANケーブルで信号をアンテナ直下のRFユニットを送る構成にして、同軸ケーブルの損失問題を解決したと述べました。またGPS(GNSS)信号を基準にすることで、極めて高精度なタイムパルス(1PPS)を取得し、OCXO(Oven Controlled-crystal Oscillator)の周波数補正を行うことで、常に高精度の周波数と安定度を実現したことも紹介しました。
高岡氏は、IC-905の魅力として、ATV(アマチュアテレビ:アマチュア無線の周波数帯で動画を伝送するテレビジョン)による動画の送受信ができる点を挙げました。ATVは、現在、ドローンレースで使用されているFPV(First Person's View)で人気が高まっており、カメラをIC-905に装着するだけで簡単に動画が送れることから、今後、IC-905のATV機能でQSOを楽しむ人が増える可能性があります。
続いて南東北三県・記念局サミットが行われ、福島県から1局、山形県から2局、宮城県から1局の計4局が、記念局運用の紹介や課題などを発表し、その後、意見交換がなされました。
最後に、日本アマチュア無線連盟山形県支部長の古川源次氏(JA7DRJ)が、令和4年5月から8月までの期間開催した「山の日全国大会特別局8J7YAMA」の運営について報告しました。
会場には、ICOM(アイコム)社の製品展示が行われたほか、やまがた県南アマチュア無線クラブ員が製作した5.6GHz-ATVの送・受信機、アンテナ等の機材が展示されました。