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竹田 歴史講座

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ボランティアグループが杉玉製作をスタート(山形市)




 酒蔵の軒先に丸い玉が吊るされているのを見かけますが、これは杉玉(すぎだま)と言われるもので、杉の葉の先端部分を集めて球形にしたものです。緑の杉玉は新酒が出来上がったことをお客に知らせる意味を持っています。この杉玉は酒蔵自身や業者に依頼して作りますが、業者の数は全国的に少なく、昨今は廃業のケースもあると聞きます。
 山形市村木沢に住むで奥山泰宏さん(52歳、団体職員)は、2019年、「チーム金森杉玉Lab.」というグループを作り、ボランティアで杉玉製作を始め、山形県内の酒蔵に納めています。メンバーは、山形市内にある立ち飲みの酒屋「金森」で知り合ったといいます。リーダーの奥山さんをはじめお酒好きの人たちで、職業も自営業、会社員など様々です。
 11月5日、山形市桜ケ丘にある上宿公民館に隣接する作業場で、2023年シーズン、初めての杉玉製作を行いました。参加したのは同グループの女性2名を含む合わせて5名です。
 前日に近くの森林から切り出したという杉の葉が作業場の中に置かれていました。はじめに、杉玉の核となる部分を製作します。細い金属棒でできたハンガーを伸ばして球形にした後、その中に白い玉を入れて固定し、球形の周りをネットを被せて、その表面に隙間なく杉の葉を詰めていきます。ある程度詰まったら、竹竿に吊るして表面をバリカンでおおよその球形に整えていきます。杉の葉の密度が薄い部分には、さらに杉の葉を差し込んでいきバリカンで綺麗に刈り上げました。杉玉をコンクリートの上で回転させながら刈り上げると、段々と直径が40センチほどの形の良い球形に出来上がってきました。
 この日は今シーズン初めての製作とあって、午前8時から作業を開始して1個目の杉玉が完成したのが午後1時でした。この日は2個の杉玉を製作して作業を終了しました。出来上がった杉玉は、南陽市にある酒蔵「東の麓」に届けられるそうです。同グループは、これから本格的に杉玉製作に取り掛かることにしています。
 杉玉は吊るされた時期は青々としていますが、段々と色が落ちてきて、秋にはすっかり枯れて茶色になります。