米沢市松が岬公園内にあるモミの木が、3月11日から、倒木の危険があるため伐採の作業に入りました。
このモミの木は、1500年代、米沢を治めていた伊達時代から生育していたものと考えられ、400年以上の樹齢があります。かつての米沢城北東の御三階櫓の場所にあり、上杉曦山(斉憲)公を祀る石碑のそばとなっています。
モミの木は、高さが32m、幹周りが4.7mと、同公園内でも1、2位を争う巨木で、米沢の歴史を見続けてきた
木であり、上杉家の歴代藩主も見たであろう歴史的に価値ある木として、米沢市のシンボルツリー第1号に認定されています。
しかし、令和3年、4年と枝折れが発生したことから、米沢市は樹木医に樹木の精密診断を依頼したところ、樹木の内部が腐朽し空洞割合が高く(地盤面から高さ20㎝の箇所の腐朽・空洞率83%)、非常に高い危険性があり、すぐに倒木・枝折れにつながる恐れがあるとの結果が昨年12月5日示されました。これを受けて、米沢市では人出の多い公園に立地していることから利用者の安全確保を図ることや、樹勢が衰退していて保全は現実的ではないと判断し、伐採することにしたものです。
伐採作業に先立って、3月11日、安全祈願祭が執り行われました。上杉神社大乗寺真二宮司が祝詞をあげ、伐採作業に当たる作業員らが玉串を捧げました。
伐採作業は、3月11日から3月16日までの午前8時から午後5時までの間行われる予定で、安全祈願祭の後、伐採作業がスタートしました。作業にあたるのは、米沢地方森林組合職員ら6人です。
初日の11日は樹上伐採に当たる伐採者が、木に登り、チェンソーで桜の木などの枝払いを行い、12日からは上部から1〜2メートル刻みで樹木を丸切りにして、地面に降ろしていきます。伐採したモミの木は、米沢市春日にある市有地に1年ほど保管し、今後の活用について検討することにしています。