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竹田 歴史講座
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上杉謙信着用の白頭巾、マント(重要文化財)等が修理へ


 

 米沢市にある上杉神社は、上杉家伝来の数々の宝物を稽照殿に保管・展示しています。上杉家初代謙信、初代米沢藩主景勝由来のものは、400年を超えていることから傷みがひどく、修理が必要となっていました。
 同神社所蔵の服飾類4点が令和6年度の国の国庫補助事業に採択され、京都国立博物館内にある文化財保存修理所の株式会社松鶴堂で修理するために、6月5日、梱包作業の模様が報道関係者に公開されました。修理は、今月から令和11年(2029)3月までの4年余りの期間で行われ、修理後は令和12年(2030)の謙信誕生500年に合わせて公開される予定です。
 4点は、肖像画や川中島合戦図などに描かれた白頭巾姿の謙信の元となる頭巾(「烏帽子形白綾頭巾」)、織田信長が謙信に贈ったと伝えられるビロードマント(「赤地牡丹唐草文天鵞絨洋套」)が含まれ、この日はこの2点の修理梱包が行われました。また前日の6月4日には2点(「茶地竹雀丸文綾小袖」、「白地麻大帷子」(襟袖赤地綾))の梱包が行われました。
 白頭巾は内部の竹が損傷しているため自立しない状態となっており、米沢藩最後の藩主茂憲が公開を禁じましたが、現当主の邦憲氏が修理後にその封印を解くとしています。
 またビロードマントは、赤っぽい色合いのもので、裏地の損傷が激しく、人体や衣桁(いこう)にかけるためには総裏変えとなり、オリジナル性を失うため、平置展示が可能となる裏地の修理を主に行う予定です。
 松鶴堂の橋本浩社長ら社員が、輸送のための箱の中に丁寧に紙で包みながら、約30分かけて2点の梱包を行いました。
 修理にあたる橋本社長は、「修理は綺麗にするためではなく、どこに文化財的な価値があるか見極めて、どう残していくかという方針を決めてあたる」と述べています。修理後は、次の修理のためにどのような修理を施したかなど、報告書がまとめられます。修理費用は4点で総額3,600万円となっています。
 当日は、上杉家第17代当主上杉邦憲氏のご子息である裕憲氏が梱包作業に立ち会いました。