米沢市舘山5の籏本山舘山寺は、天文2年(1533)、伊達政宗の父輝宗の重臣で、新田景綱によって開創されました。今日まで500年近い歴史を有しています。6月9日、同寺において、27世山口賢明(けんみょう)住職の辞令伝達入寺式と26世山口卓道住職の退董式(たいとうしき)が行われました。
退董式とは、現住職が住職を退任する儀式で、董という字は寺を護り管理するという意味があり、ご本尊に住職のお役を退く挨拶を行います。住職を退いた後は、東堂(とうどう)という役に就き、新住職と寺を見守る立場となります。
はじめに、曹洞宗山形県第二宗務所の菊池道喜(きくちどうき)所長が新住職となる27世山口賢明住職へ辞令伝達を行い、同住職の入山式法要が厳かに行われました。ご詠歌が歌われる中、御本尊に菓子や茶の湯が捧げられ、般若心経が唱えられました。
続いて、26世山口卓道住職の退董式法要が行われ、同様に御本尊に菓子や茶の湯が捧げられ、大悲心陀羅尼が唱えられました。
山口卓道住職は、昭和53年に舘山寺住職となり、今日まで46年余りにわたり住職としての勤めを果たしてきました。
新住職となった山口賢明住職は、山口卓道住職の長男で、10歳の時に出家得度式を行い、慈海賢明の僧名を授かりました。その後、米沢興譲館高校、駒沢大学仏教学部を卒業、大本山永平寺本堂僧堂などで修行、曹洞宗総合研究所で3年間の研修を経て、4年余り山形少年鑑別所に法務教官として非行少年の矯正教育に当たりながら、舘山寺副住職として20年余り勤めました。
式典では、山口卓道住職と駒澤大学で同級だったという岐阜県恵那市(えなし)清楽寺住職の百瀬文康老師が曹洞宗両大本山御専使として挨拶を行ったほか、舟山やすえ参議院議員、芳賀道也参議院議員、近藤洋介米沢市長らがお祝いと慰労の言葉を述べました。
山口卓道住職は退董式にあたり、山形新聞社に能登復興支援金を寄託しました。