茄子の種を守り続けてくれた先人の遺徳に感謝し、地域の食文化の向上と豊作祈願、茄子の恵みに感謝を捧げる「第28回梵天丸茄子供養祭」が7月4日、米沢市窪田町にある内藤醸造株式会社(内藤徳和社長)で行われました。
この供養祭は平成9年より毎年開催しているもので、梵天丸茄子生産者代表や同社社員ら約30人が出席しました。続いて神事が執り行われ、祝詞奏上、玉串奉奠が行われ、豊作を祈願しました。
梵天丸茄子は、伊達政宗が米沢に住んでいた幼少の時の名前「梵天丸」に由来し、病気に強く品質が良いのが特徴です。米沢藩初代藩主上杉景勝の時代、窪田町家中はお菜場で、武士に窪田茄子を作らせ、上杉鷹山が普及させたと言われています。
神事の後、同社の内藤慎二さんが、色、形の良い計3㎏の茄子を大きな樽の中に投げ込み、塩をまぶして、手でよくかき混ぜて、重石を蓋の上に置いて漬け込みを行いました。
梵天丸茄子の収穫時期は、毎年6月末~10月上旬までで、茄子もぎは暑い夏の間に行われます。今年も昨年並みの11トンの収穫を見込んでいます。現在、梵天丸茄子の生産者は置賜地方で6名で、4年前(13名)から半減するなど、生産者の高齢化が進んでいることから、今後は生産者を増やす取り組みが求められています。
梵天丸茄子は浅漬と深漬に加工され、特に浅漬は季節限定商品で全国から注文が入る人気商品となっています。約8割が地元で消費され、残りは県外に出荷されます。7月5日から、上杉城史苑などで発売が開始され、その後、量販店に拡大していきます。9月末まで生産を行う予定です。
表面がつやつやとした色づきの良い丸茄子が夏の食欲をそそります。
問い合わせ 内藤醸造株式会社 TEL 0238-37-3020(代)