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ISSと米沢市立第五中学校の交信ならずも生徒の貴重な経験に




 地球を周回するISS(国際宇宙ステーション)と米沢市立第五中学校生徒がアマチュア無線で交信を行う「米沢市立第五中学校・スクールコンタクトチャレンジ」が3月28日、午後6時から同校で行われました。これは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が行う無料の教育プログラム、ARISS(AmateurRadio on the International SpaceStation)スクールコンタクトを通して、この3月に閉校する米沢市立第五中学校の記念イベントにしようと米沢スクールコンタクト実行委員会(玉橋博幸実行委員長)が主催して行われたもので、山形県で初の試みとなります。

 前日の3月27日、準備に当たった同実行委員会のメンバーらは、会場に通信機器や屋上にアンテナを設置しました。宇宙飛行士と交信する同校生徒15人らが見学後、最終リハーサルに臨みました。
 スクールコンタクト当日の3月28日は、18時から開会行事を行い、玉橋博幸実行委員長、田畑広志校長、佐藤哲米沢市教育長らが挨拶し、参加生徒やスタッフが紹介されました。また会場に設置された無線設備などの説明が行われました。

 交信5分前からカウントダウンを始め、室内は緊張に包まれました。ISSはシベリア上空から入り、北海道帯広付近を通過し、西太平洋上空を飛行します。ISSは毎秒7.9㎞で地上400㎞を飛行し、五中とISSとの直線距離は、北海道帯広付近では700㎞程度となります。ISSと交信が可能となるのは、午後6時57分28秒から10分間余りです。
 玉橋実行委員長がコントロールオペレータとなり、午後6時57分頃からISSのコールサイン「OR4ISS」を呼び出しました。ISS側で交信相手となってくれる宇宙飛行士は、アマチュア無線KD5MDTのコールサインを持つドナルド・ペティット(Donald Pettit)さんです。
 
 ISSから音声が入ってきました。米沢五中側のコールサインは「8N7Y5JH」ですが、ISSからは「JE7ZCT」と呼びかけてきます。こちらから何度も自局のコールサイン「8N7Y5JH」で呼び出しますが、「JE7ZCT」と呼びかけてきて、コールサインの確認が取れませんでした。またISSからの音声が途絶えてしまい、10分余りの交信可能時間は終了となり、ISSとのスクールコンタクトは不成立となりました。
 玉橋実行委員長は、「当初、NASAに対してこちら側のコールサインをJE7ZCTで申請し、その後に8N7Y5JH(Y5JH:Yonezawa 5th Junior High schoolの略)に変更しましたが、その変更が宇宙飛行士に正しく伝わっていなかったようです。」と述べました。
 その後、閉会行事を行い、生徒らは予定していた英語での質問文を一人ひとり発表し、実行委員会から記念の交信証がプレゼントされました。今回、実際の生徒たちの出番はありませんでしたが、宇宙、ISS、アマチュア無線、英語会話などのこれまでの学びを通して、人生での貴重な経験となったようでした。

 音声が途切れた原因として、NASAから「ISS内のアマチュア無線機でトラブルがあり、誤ってロックしてアクセスができなくなったようだ」との連絡が入り、計画担当者は米沢五中のスクールコンタクトを再度行うべく、ISS乗組員(クルー)のスケジュールに組み込もうとしているということで、再挑戦の可能性が出てきました。