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竹田 歴史講座

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寄稿 『秋の木の実は栄養だけでなく体を守る』鈴木寿美子

寄稿者略歴
suzuki 鈴木寿美子(すずきすみこ)
 米沢市生まれ。全日本薬膳食医情報協会認定 薬膳インストラクター。釜山大学校 韓医科学研究所健康文化研究センター主催東医宝鑑アカデミー ティーセラピー専科3期卒業。韓方茶セラピスト。米沢市在住。



「縄文人も大好き!秋の木の実は、栄養だけでなく、体を守る!」
    ― 身近な薬膳料理で健康維持 ―

autumn-2 10月の中旬頃から、野の花に変わり山の木々が赤く色づき、「もうすぐ紅葉(こうよう)の季節ですね。」とか「紅葉(もみじ)狩りに行って来ました。」などの会話を良く耳にします。(写真右=縄文人たちが暮らした古代の丘「長井市草岡」)
 紅葉(こうよう)と言えば、童謡の「紅葉(もみじ)」にも表わされているように、山の楓や蔦などの木々の葉が赤や黄色に色鮮やかに色づき、着物の裾の模様のように綺麗で美しい風景に変化する様子です。この時期に山に行き、ロープ―ウェイ乗ると赤や黄色のジュータンを歩いている気分になります。
 その中にひと際赤くて子供の手のように可愛い「紅葉(モミジ)」。カエデ属の植物でムクロジ科の植物で、葉の切れ込みが深いものを「紅葉(モミジ)、葉の切れ込みが浅いものを「楓(カエデ)」と呼び、同じ属性の植物なのに日本では別の名前で区分されています。
 楓(カエデ)は、葉の形が蛙の手である「蝦手」に似ていることに由来されているので、紅葉(モミジ)は赤ちゃんの手、カエデは蛙の蝦手とイメージすると見分けやすいかもしれません。
 ちなみに、海外では、カエデ属の植物は、メープルと呼ばれていてモミジもカエデも一緒と考えられています。
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 私も、毎年この時期になると「紅葉狩り」に出かけています。山に行かなくても神社や公園など、私達の身近なところでも紅葉狩りが出来るところがたくさんあります。「紅葉狩り」の醍醐味は、その美しさを愛でることでもありますが、下に落ちている綺麗な色の葉や、可愛い形をした落ち葉を集めたり、ドングリや銀杏などの木の実を拾う楽しみもあります。
autumn-3 「拾う楽しみ」の代表的な木の実と言えは、栗や胡桃、銀杏など。縄文時代の遺跡からも出土するほど古くから私たちは木の実を採り、食べていました。
(写真左=秋の実りを味わう献立内容)
 縄文人が好んで食べていたのは、「ドングリ」。現代の私達は、ドングリを食べることはあまりありませんが、縄文の人々にとっては、ドングリも大事なタンパク源。栃の実を現代の私達が灰汁を抜いて栃餅にして食べるように、縄文の人々も、ドングリを灰汁抜き(あくぬき)、食していたのには、とても驚かされます。
 2020年代の私達は、ドングリよりも栗や胡桃、銀杏、栃の実やアーモンドなどを好んで食べます。灰汁抜き等はあまりしませんが、栗には皮を剥く作業があり、胡桃や銀杏、アーモンドなどは果肉を取り、干して乾燥させるとうい一手間、二手間掛けて調理をし、中の実を頂きます。
 栗は、栗ご飯や甘露煮、ケーキなど主食からデザートまで様々な料理に使われており、秋の味覚の代表的な食材です。もちろん、胡桃も、ゆべしや餅、和え物やクッキーに、銀杏は、素揚げしたり、茶碗蒸しや炊き込みご飯にと、栗とは違い、胡桃や銀杏などの殻の固い木の実は保存が効く為、一年を通して幅広く使われている食材です。
autum-n4 このように食材として普段何気なく食べている木の実も、実は、漢方薬の薬の材料でもあります。
(写真右=栗は秋の代表的な食材の一つ)
 例えば、栗は、生薬名で「栗子(りっし)」といい滋養強壮の薬として、胡桃は「胡桃肉(ことうにく)」又は「胡桃仁(ことうにん)」と呼ばれ、膝や足腰の強化、疲労回復に用いられており、銀杏は、「銀杏(ぎんきょう)
といい、胃腸や鎮咳(咳止め)の薬として用いられており、生薬名より加工され「イチョウエキス」として体に良い物として知られているようです。
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 体に良いものなので、食べるだけでなく、お茶にして飲むことは出来ないものか?と調べてみると、いつも自分で葉や実を使って作る韓方茶ではありませんが、韓国に「ユルム茶」という「胡桃とアーモンドとハトムギ」のスティックで販売されているお茶があることを思い出しました。
 ユルムとは、翻訳すると「ハトムギ」という意味ですが、ハトムギのお茶と言うよりは胡桃やアーモンドのお茶として印象が強く、きな粉にお湯を混ぜたような甘い味で、砕いてある胡桃やアーモンドの実がたくさん入っているため、普通に飲むお茶と異なり、おやつ感覚で食べながら飲めるお茶です。
 このお茶を分析すると、お茶に含まれるハトムギは、胃腸の働きを高め、体の余分な水分を排出するため、浮腫みなどを改善する働きがあると言われています。
 胡桃は、腎を補い腰痛や足腰のだるさ、肺を温めるため喉を止める働きがある他、腸を潤し、便通を改善する働きがあります。美味しいのと美容に良いことで、一時期ハマって飲んでいたことがあります。どちらかというと、秋から冬にピッタリなお茶です。
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autumn-5 秋は、乾燥する季節でもあり、旬の食材には、体を乾燥から守る作用があります。秋の木の実にも、腎や肺を潤す働きのあるものが多くあります。エネルギーを蓄える腎を強化することで冬の寒さで消耗するエネルギーを今のうちから供えて蓄積することが出来き、肺を潤すことで体にバリアーが張られる為、ウイルスなどの外から入る病気(外邪(がいじゃ))が入ってこないように体を守ってくれるため、予防にもなります。
(写真左=銀杏の木からは実を収穫 福島市飯坂 医王寺)
 また、肺が潤うことで夏や初秋の暑さで、気づかずに乾燥している体の内側にも働きかけ、髪や肌に潤いを与えたり、コロコロ便や便秘の改善にも繋がります。
 今回は、毎日飲む緑茶に胡桃とクコの実を入れた体を潤すお茶をご紹介します。
緑茶は、心や肺、胃に働きかけますが、涼性で体を冷やす性質があります。気持ちが高まると体の熱が上に上にと上がっていくため、緑茶を飲むと上がっている気が下がるためホッとした、リラックスした気持ちになります。
autumn-6 その緑茶に、温性の性質を持つ胡桃を加えることで、調度よくバランスが整う訳です。更に、クコの実には、肝と腎に働きかけ、体に潤いを与える滋陰作用があります。この3つの組み合わせは、潤いだけでなく目にも優しいお茶です。(但し、胡桃等ナッツアレルギーのある方はお控え下さい)
(写真右=緑茶に胡桃とクコの実)
 これから寒く厳しい冬に備え、健康に過ごす為に、(アレルギーのない方は)秋の木の実を取入れてはいかがでしょうか?但し、エネルギーを蓄えすぎないよう食べ過ぎには、ご注意ください。

(2021年11月5日18:15配信)