【タイトル】
「東北労働金庫米沢支店を地域の皆様が気軽に相談できる身近な存在にして、多くの皆様を笑顔にしていきたい」
令和4年3月、東北労働金庫米沢支店長に就任した縄野幸子氏に、支店長としての抱負などを聞いた。(インタビューは成澤礼夫米沢日報デジタル社長)
ー米沢支店長としての抱負をお聞かせください。
縄野支店長 私は米沢支店に平成23年から約4年間勤務をしたことがあり、米沢の地に7年ぶりに帰ってきました。前回勤務では営業を中心に仕事をさせていただき、多くの出会いと皆様に支えられ育てて頂いたと感謝しています。この度は支店長を拝命し、帰ってきましたので、地域の皆様に心から喜んでいただけるような金融サービス等を心がけていきたいと考えております。
そのために地域の皆様が気軽に相談でき、利用できる身近な存在としての支店にしていくことが私に課せられた役割です。労働金庫は勤労者のための福祉金融機関という原点を忘れず、一人でも多くの笑顔を作っていきたいと思います。
来年は東北労働金庫ができてちょうど20年の節目ですから、それを機にもっとお役に立てる金融機関を目指していきたいと思います。
ー米沢支店の68年の歴史の中で、女性支店長は初となります。どんなことが期待されていると思いますか。
縄野支店長 今、金融環境はかなりのスピードで目まぐるしく変化しています。お客様のニーズも多様化していますし、従来の発想にとらわれない、自由な発想が今の金融機関には求められていると思います。その観点からも、女性の視点で柔軟で、新しいマネジメントへの対応を図って参りたいと思います。
ー米沢は山形県の労働金庫発祥の地ですね。
縄野支店長 昭和26年に旧山形県労働金庫創立の萌芽となった準備会がここ米沢の地で結成されました。山形県に勤労者のための金融機関を設立するために、日本で最初に労金を設立した岡山県まで視察に出向き、準備を重ねて設立されたと聞き及んでいます。
働く人たちの熱意により作られた、働く人たちのための金融機関であり、その理念は現在まで変わることなく引き継がれています。職員一人ひとりがこの理念をしっかりと心に刻み、日々の仕事に取り組んでいます。
ー労金の利用者からは現在、具体的にどんなニーズが増えていると言えますか。
縄野支店長 日本はここ30年ほど、景気の拡大を狙って低金利政策が続けられています。また今年に入ってロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以来、原油、液化天然ガスなどのエネルギー、そして原材料価格の高騰、円安による輸入物価の高騰によって物価高が起きています。預金の利息が低い現状から、投資信託等の資産運用商品のニーズが増えています。米沢支店でもそういった相談件数が増えてきており、窓口での相談やサポートを手厚くしています。投資信託等は一旦スタートすれば、あとはスマホなどでの操作でご利用者様がご自身で運用ができる仕組みとなっています。
ー労働金庫は福祉活動にも取り組んでいますが、これは地域への大きな貢献となっています。
縄野支店長 労金は福祉金融機関として、これまでも様々な社会福祉、貢献活動を行ってきました。それは国連が提唱しているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)のスローガンにある「誰一人取り残さない」や「全ての人々に必要な金融サービスを」という考え方に、労金の理念やビジョンは合致しています。金融サービスはもちろんですが、様々な社会貢献活動を通して働く人たちの金融機関として労金の役割を発揮して、SDGsの目標達成に取り組んでいます。
また山形県独自で行ってきた春秋年2回の地域清掃活動の「クリーン作戦」や、青少年の健全な育成と地域社会の発展に寄与することを目的とした学童野球大会、チャリティ費を福祉施設に寄付をするゴルフ大会など、ここ3年ほど新型コロナにより活動を自粛していますが、今後の状況を見極めながら活動を順次再開できればと思っています。
ー縄野支店長の好きな言葉や座右の銘をお聞かせください。
縄野支店長 私の場合は、ずっと同じ言葉を持ち続けるというのではなく、その時々で自分に必要な大切な言葉が変わります。今の自分が大切にしている言葉とすれば、「而今」(じこん)です。禅の言葉で、「いまこの瞬間を大切に生きる」という意味で、昨日のことは過去の過ぎたことであり、明日はどうなるかわからない。だから今、この時を精一杯に生きるということになります。仕事に対する姿勢も同様で、今、自分が置かれた立場で、この地で人との出会い、繋がりを大切にして、精一杯、誠実に仕事をすることを心がけています。
ー尊敬する人物を挙げるとすれば誰ですか。
縄野支店長 先人の方々の、それぞれに素晴らしい生き方はありますが、具体的に誰ということではなく、心も体もタフでブレない人間でありたいと思っています。
ー休日とかは、どのように過ごされていますか。
縄野支店長 今回、米沢支店勤務にあたり米沢に住んでいます。以前、米沢支店に赴任した際に表千家茶道を習い始めました。米沢を離れた間も米沢のお師匠さんの元に通いました。茶道をしている時は、仕事のことなどが頭から離れ、400年前に千利休によって確立された茶道の世界にどっぷりと浸かり、その雰囲気が私自身をリフレッシュさせてくれます。
ー縄野支店長の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
縄野支店長 今後ともご指導・ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。
略歴
寒河江市生まれ。山形市立商業高校卒業。昭和62年、山形県労働金庫入庫。平成23年、米沢支店、同27年、山形支店、同30年、東北労働金庫本部総合企画部、令和元年、同財務部を経て、令和4年3月、米沢支店長。
(2022年8月18日15:30配信)