皐月　　米沢俳句会

山菜の食わず嫌いと同居かな　　　　石口達郎
花便り羊かん厚く切る今宵　　　　　磯部知子
自己愛の滅びゆく果て春霞　　　　　小川孝子
子の一家帰りて妻の午睡かな　　　　神原省治
囀りやパレットに溶く草の色　　　　木村正子
菜の花や蕉村の月日東西に　　　　　佐々木昭
花見酒白馬の騎士を背なにして　　　佐々木清子
春光や観音様も欠伸する　　　　　　佐藤和雄
子燕の戻り確かめ納屋閉じる　　　　佐藤君子
桜咲く散る前に見る人一人　　　　　足澤　聡
囀りに散歩を止めし白き杖　　　　　永井しげ子
名君を現代（いま）も偲ぶた五加垣　濱田洋子
春耕や卒寿のリハビリ畑仕事　　　　原田芦雪
賑やかに家族の如しつくしんぼ　　　山口雀昭
朝夕や膝だけあさく春炬燵　　　　　渡部美知子

令和４年（２０２２）５月２１日（土）
（於）米沢市西部コミュニティセンター

（２０２２年５月２８日１１：３０配信）