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青虫に負けじと巻くや秋玉菜 石口達郎
殉ずるはなべて悲しや羊雲 磯部知子
異境の娘今年も独り月の客 小川孝子
家事重く作句も重し秋の暮 神原省治
大根干す吾妻颪(おろし)の通る道 木村正子
星降る夜語り部となる菊人形 佐々木昭
木々は脱ぎ吾は着込みて秋深し 佐々木清子
白菊の供花は遺影の噎(むせ)せるほど 佐藤和雄
野良終えて夕餉(ゆうげ)の支度名残茄子 佐藤君子
コーヒーの香りの深し秋の朝 足澤 聡
布団干し温みに心うずめけり 永井しげ子
病む人に旅割虚し秋時雨 濱田洋子
満月や戦後派卒寿足るを知る 原田芦雪
昼は海夜は銀河に開く窓 山口雀昭
実南天たわわに垂れて鳥を待つ 渡部美知子
令和4年(2022)11月19日(土)
(於)米沢市西部コミュニティセンター