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山形県高畠町
亀岡文殊堂 奉納連歌
平成二十七年八月二十一日起首
十月七日 満尾
十月八日 奉納式
初折表
一 菊の酒汲むや今宵の歌筵 譲
二 ぬばたまの夜ちちろ虫鳴く 加 津
三 小面の褪せし口紅月浴びて 昭
四 秋の調べを軽やかに舞ふ 泰 子
五 学舎の友健やかに老ゆるらむ ひろ子
六 日毎鍛へしあと見せてをり 東 市
七 晴着きて凛々しき顔の祭笛 加 津
八 囃されながら目だけ応へる 昭
初折裏
一 里帰りしばし見ぬ間に育ちをり つとむ
二 柱の傷と机の傷と 泰 子
三 夢に逢ふちちははの声若かり ひろ子
四 覚むる枕に木枯らしの音 譲
五 旅終へし産土神の山眠る 昭
六 いかに在すや面影の人 つとむ
七 吹く風に君を慕ひて遠き日々 東 市
八 想ひ乱れし別れの季節 泰 子
九 出る船の汽笛に耳を押へたる 譲
十 水脈に砕けし春の夕焼 ひろ子
十一 のどかにもなりつる空に三日の月 善 照
十二 なつかしき郷陽炎の道 加 津
十三 花満ちていつか散りぬる秘めてをり 昭
十四 友と見上ぐる見晴らしの丘 つとむ
名残折表
一 雲を脱ぐ吾妻待つ間の峠茶屋 泰 子
二 長命の水あふれてをりぬ ひろ子
三 郭公の谺ゆき交ふ始発駅 昭
四 でんでん虫も角を出したる 加 津
五 それなりに夢ありし日や古日記 泰 子
六 今は恨めし鬢の白さよ 譲
七 縄文の血をうけつぎて雪の村 つとむ
八 人それぞれの除夜の鐘聞く 昭
九 追ふごとく追はるるごとく刻の過ぐ ひろ子
十 イーハトーブの旅を続けて 加 津
十一 煙吐く列車の窓に星流れ 譲
十二 大臣は誰と月に問はばや 裕 雄
十三 新しき政治いろどる秋の風 東 市
十四 声なき声の刈田に溢る ひろ子
名残折裏
一 手をつなぐ人々の輪の広がりて 譲
二 見渡す山は緑したたる 東 市
三 まほろばの空がふるさと燕の子 泰 子
四 知りたく思ふ烏のことばを 昭
五 聞き耳の昔語りをなつかしみ 裕 雄
六 瑞穂の国も芽吹き初めしか ひろ子
七 をちこちの人集ふいま花ざかり 加 津
八 宴の庭にうぐひすの声 つとむ
句挙
高野 譲 六
降幡加津 六
佐々木 昭 七
佐々木泰子 四
竹田ひろ子 七
吉田東市 四
金子つとむ 五
天笠善照 一
鶴﨑裕雄 二
(2015年10月19日15:50配信、16:35最終版配信)