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平成二十七年二月例歌会詠草
川西町短歌会
と き 二月十五日(日)午前十時より
ところ 川西町中央公民館
初雪の大雪を見しこの冬は大雪予報当たらず善き冬 金子秀松
寒月夜逝きし夫の大好きな万年青をそっと暖かい部屋に 寒河江みち子
小さくも瑞穂農業守る為研修会場へ我は急ぎぬ 島貫 勇
若かりし父に教わり北極星今宵眩しく瞬き止まず 前柳長栄
四十年開基の職を守りたる正吾さん逝く雪の師走に 山口三郎
この年も娘が買ってきてくれた恵方向きつつ丸かじりたり 鈴木 弘
中東の人命けはし応酬の言葉あげつらふ国のうちにも 舩山達郎
立春を過ぎて降り来し牡丹雪吹雪となりてひと夜荒れたり 佐藤壽雄
年金の年額充てし除雪機に又助けられ立春迎う 高橋政治
吹雪去り雪見窓上げながむれば雪の壁のみ迫りくるなり 島貫光子
自らの共同墓地へ立ち寄りし弟夫妻の饒舌を聞く 寒河江巌
屋根の雪落した中庭うず高し花咲く時節はいつと待たるる 大滝栄三
平成二十六年度NHK全国短歌大会・入選歌
子や孫に農継がせずときめてより六代使いし稲倉解ごす
鈴木 広
生卵黄身が消えるまで混ぜ込んでケーキ作りのドレミ始まる
前柳長栄
イザベラバードの鐘の音響く駅東ホームに憩ひ鐘撞きて見る
山口三郎