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米沢市は、平成30年2月9日の総務文教常任委員会協議会、及び2月16日に開催された市政協議会で、2月26日招集の議会で、米沢市として「置賜定住自立圏構想中心市宣言」を行うことを明らかにしました。(写真右=置賜定住自立圏構想について述べる中川勝米沢市長、2月19日記者会見)
定住自立圏構想は、人口減少、少子・高齢化が進行する中で、一定の人口規模を有する中心市(5万人程度以上、昼夜間人口比率1以上)と、生活や経済面で関わりの深い近隣の市町村が相互に役割分担し、連携、協力することにより、圏域全体で生活に必要な機能を確保し、地方への定住促進、住みやすい地域社会の形成を目的とした広域連携の制度です。
全国的な取り組みとしては、平成29年4月1日現在で、118圏域(502市町村)で定住自立圏形成協定締結または方針策定がなされ、うち113圏域で定住自立圏共生ビジョンが策定されました。国は、2020年までに定住自立圏の協定締結圏域数140を目指しています。
山形県内では、中心市として山形市(山形圏域)、鶴岡市(庄内南部圏域)、酒田市(庄内北部圏域)、新庄市(新庄最上圏域)の4つで、平成23年7月〜平成27年6月の間で協定締結、平成25年3月〜平成28年3月の間で共生ビジョンが策定済みとなっています。
具体的な連携の取り組みとして3政策分野があり、その具体的事項は次の通りです。
①「生活機能の強化」として、医療、福祉、教育、土地利用、産業振興など。
②「結びつきやネットワークの強化」として、公共交通、ICTインフラ整備、交通インフラ整備、地産地消、交流・移住定住など。
③「圏域マネジメント能力の強化」として、人材育成、外部人材の確保、職員交流など。
この定住自立圏構想を推進するにあたり、国からの包括的財政措置(特別交付税)を受けることができ、中心市には8,500万円(上限)、連携市町村に1,500万円(上限)です。そのほかに、外部人材活用及び地域医療の確保に要する経費に対する財政措置などがあります。
構想推進の手順は、①「中心市宣言」を行います。中心的役割を担う意思を表明し、近隣市町と連携が想定される取り組み等を宣言書に記載します。②「定住自立圏形成協定の締結」を行います。中心市と近隣市町村が1対1で、議会の議決を経て締結します。③「定住自立圏共生ビジョンの策定」を行います。その中には、圏域の将来像や推進する具体的取り組みを記載します。
平成29年3月、置賜3市5町の市長、町長は、置賜定住自立圏構想に取り組むことを確認しました。その際、米沢市が中心市となり近隣市町(2市5町)の連携をサポート(意見調整等)し、現在ある置賜広域行政事務組合の枠組みの中で定住自立圏構想を推進していきます。定住自立圏共生ビジョンは、米沢市が2市5町と協議し策定し、置賜(定住自立圏)の将来像や協定に基づき推進する具体的取り組みを記載します。
米沢市は3月定例会の招集日(2月26日)の議会で、「中心市宣言」を行い、「定住自立圏形成協定」の議会の議決に関する条例の議案を提出します。米沢市以外の2市5町でも同様の議案を提出予定です。
(写真左=GI(地理的表示)登録となった米沢牛、今後輸出も視野に、生産頭数の拡大が望まれている)
今後の予定としては、今年6月定例会において、「定住自立圏形成協定(米沢市と連携市町が1対1で協定を締結)の締結」に関する議案を提出し、12月に定住自立圏共生ビジョンの策定を行います。ここでは形成協定に基づき具体的な事業を記載ほか、策定にあたり、幅広く意見を聴くため関係者で構成する共生ビジョン懇談会を開催します。
中川勝米沢市長は、2月19日に行われた記者会見で細部は詰めているとしながら、3市5町で取り組む課題には「観光物産情報の提供」、「米沢牛の振興」をあげています。
(2018年2月20日20:50配信)