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米沢市 天元台ロープウェイの安全対策・経費を審議


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 9月3日、米沢市議会産業建設常任委員会、同4日に市政協議会が開催され、米沢市当局より天元台ロープウェイ搬器(ゴンドラ)衝突事故に伴う再発防止のための安全対策とその経費について説明が行われ、審議を行いました。
 8月7日、天元台ロープウェイの運行に対して許可権限を持つ東北運輸局より設置者である米沢市、および米沢市より運行業務を受託している(株)天元台に対して安全対策に関しての助言が行われ、
 ①同一箇所での3回目の事故であり、事故原因を追求しそれに応じた再発防止策の検討
 ②3号支柱周辺の風の動きを科学的に調査、分析し、再発防止策へ反映
 ③強風時、自動的に運転を切り替えるシステムの導入検討
 ④他の索道事業者での運行システムの研修
 ⑤運転中止時の代替輸送方法を明確にし、いつでも停止できる体制の構築
 ⑥衝突防止ガイドの効果には±があり、接触すれば事故となるため、メーカーと充分検討
 といった内容です。

 これを受けて米沢市は、再発防止のための安全対策について、
(1)天元台ロープウェイ支柱周辺での風の特性に関する調査
 ①委託先は、山形大学大学院理工学研究科物資科学工学専攻の桑名一徳教授で、今年10月末までに、基礎調査(地形、気象、設備等)・解析、分析調査・基礎データ収集方法の検討(機器の設置)及び概略調査報告書の作成、また来年3月末までに、基礎データの解析と分析、報告書の作成を行います。 
 風の特性に関する調査委託料は、220万円(税込)を予算計上します。

(2)天元台ロープウェイ運行システム改修
 ①瞬時停止システム改修
 2号支柱及び3号支柱に設置している風速計が、現在は風速18m/秒が5秒間継続すると緊急停止しているものを、風速15m/秒を感知した時点で瞬時に停止するよう改修します。
 改修費は、86万9,000円(税込)を予算計上します。

 ②自動運行モードシステム改修
 通常運行時(4m/秒)は、上り下りとも3号支柱を通過する際は、0.5m/秒で減速徐行し、通過後に元の速度に加速します。(自動運行モードの設定)また、支柱3号及び2号に設置している風速計が、12m/秒を感知すると自動的に上り下りとも速度4m/秒から3m/秒に減速し、支柱(3号及び2号)は0.5m/秒で通過します。(強風運行モードに切り替え)
 また運転モードを、4.9m/秒、4.0m/秒、3.0m/秒(但し、3号支柱を通過時0.5m/秒)の3つに切り替えます。
 自動運行モードシステム改修は、1,078万円(税込)を予算計上します。

(3)その他の再発防止のための安全対策
 ①社外(社内)研修の実施及び安全対策の周知徹底
  東北管内2か所(蔵王ロープウェイ、八甲田ロープウェイ)の索道事業者等での社員研修を実施し、運行マニュアル、風対策等を習得し、運転細則の見直しなどを行うほか、索道技術管理員等講習会、索道技術管理者研修会(東北運輸局鉄道部主催、仙台市)に参加します。
 ②ロープウェイ運転中止時の代替輸送体制の構築として、
 夏季は管理道路を社用車による送迎、冬季は管理道路を圧雪車(運転手一人、客一人)による送迎を行います。
 ③安全統括管理者は、風速が警戒レベルに至らない場合でも、搬器の揺れ、風向によって運転の見合わせ、運休の措置を取るように徹底します。

 また、米沢市当局からは支柱に衝突防止ガイドの設置を検討したものの、搬器がガイドにぶつかった段階で事故扱いとなることや、設置経費が1,000万円となることから、設置は見送る方針が述べられました。
 安全対策に係る費用の合計は、1,384万9,000円となり、米沢市議会9月定例会に提出されます。財源は財政調整基金の取り崩しによります。

 質疑では議員から「東北運輸局の助言は安全対策としての必須条件なのか」という質問に対して、当局から「強い形での助言と受け止めている。それに対して最大限の対応を行う」、また「(運行システム改修に関しての)これらの助言によって、工期が延びないか」に対しては、「現場作業は3日で終了し建物内で作業ができる」と回答しました。
 さらに「山形大学による調査結果は、どのように生かされるのかシステム改修とリンク性が感じられない」という質問に対しては、「まずは運行再開に向けて、風の分析結果を踏まえて運行マニュアルを改定する」ことなどが当局から説明されました。

(2019年9月5日16:10配信)