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白岩孝夫南陽市長は、3月27日、同市役所で「ハイジアパーク南陽」の今後の方向性に関して記者会見を開き、基本方針などを明らかにした。
(写真右=新春なんようの会場として使用されているハイジアパーク南陽、資料写真)
これまでの経緯として、令和元年12月19日に有識者会議からの意見書が提出され、その中で「施設整備以来28年が経過し、現在の維持管理経費の大きさや施設状況調査の結果から考えると、一定の役割を終えた施設。長期的に考えると存続させることは困難。現在の負担額、将来の投資額を勘案すると廃止の方向もやむを得ない」といった内容が盛り込まれている。
この意見書を元に議会全員協議会での報告や5回にわたる庁内検討会議(副市長、総務課、みらい戦略課、財政課、商工観光課)、市長・副市長協議、マンデーミーティングなどにおいて、「事業の継続」、「事業の廃止」、「民間事業者への売却」など、役割分担しながら色々な角度から検討を実施した。
その結果、「公の施設である『ハイジアパーク南陽』については、令和2年度中に、民間事業者へ譲渡することも含めて継続する方法を模索し、継続することが不可能な場合は、事業を停止する」との基本方針を決定した。
その内容は「譲渡に関する条件等を整理・検討するとともに、譲渡する民間事業者の選定を進めること」や、「指定管理制度で運営している第三セクター『(株)ハイジアパーク南陽』は、令和3年3月末日で解散する手続きを進める。(令和2年度は、現在の体制のまま事業を行う。)」としている。
基本方針決定に至った理由として、事業を継続していく場合の財政負担をあげ、南陽市の令和元年度ハイジアパーク南陽関連予算は、7,086万余りで、利用者が減少する中で、今後も維持経費等が膨らんでいくことが考えられることや、南陽市の歳入予算が縮小になっていくことを考えれば、このまま継続していくことにより、現在、計画策定中の第6次総合計画における政策課題の関連予算が削減せざるを得なくなるとしている。
また建物の修繕・更新等に、必要な金額が約10億5,600万円が見込まれ、有利な財源がないこと、さらに他用途への転換について検討したが、施設内容や立地条件から、難しいと判断した。(株)ハイジアパーク南陽の経営改善の見込みについて、現在、収益が安定し、黒字を計上しているのは、平成30年度から増額された「指定管理料」収入によるためで、収益構造のあり方としては好ましくないとしている。
平成30年度決算では、売上高が1億7,325万4,000円、純利益1,430万8,000円、債務超過額は3,816万9,000円となっている。
ハイジアパーク南陽は、南陽市上野に所在し、温泉入浴施設、プール、子供向け屋内遊具広場、レストラン、売店、またイザベラバード記念コーナーなどを持つ南陽市の施設で、資本金は1,000万円、南陽市が株式の64.78%を保有する。現在、第三セクターである(株)ハイジアパーク南陽が指定管理者となっている。
施設は平成元年度から同4年度にかけて建設され、地上2階建、延床面積4,788㎡、総事業費は41億7,000万円で、平成4年度に設置された。
(株)ハイジアパーク南陽を解散した場合の課題については、専門家(弁護士、司法書士、社会労務士など)に依頼して、法的な手続きを丁寧に進めていく必要があるとしているほか、従業員の再就職については、最大限努力したいとしている。今後の進め方としては、庁内にプロジェクトチームを設置し、今後の事務を進めていく。
(2020年3月31日12:05配信)