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米沢市は昨年7月21日、新たな屋内遊戯施設の整備について、事前調査施設として「アクティー米沢」を選定し、改修方法や概算工事費等の把握を行い事業の可能性を検討すると発表した。それに基づき、昨年11月16日から今年3月20日までの期間、(株)山下設計東北支社に事前調査を委託し、2月10日に開催された民生常任委員会協議会で、その事前調査の途中経過を報告した。
(写真右=事前調査施設に選定されたアクティー米沢)
それによれば、アクティー米沢を屋内遊戯施設に用途を変更する場合、建築基準法では「レストラン付体育館」から「児童福祉施設」に変更となるほか、消防法では複合用途防火対象物(飲食店・体育館)から複合用途防火対象物(飲食店・遊技場)に変更となる。
改修工事概算経費では、設計・監理料が2,752万円、工事費5億7,640万円の計6億392万円(税込)と見込まれている。
主な改修工事としては、①施設の用途変更に伴う改修②体育室の屋内遊戯施設への改修③幼児用トイレの増設及び改修④各部屋の内装⑤空調設備の全面改修、機械設備・電気設備の不具合部分の改修、などとなっている。なお改修工事費用には大型遊具・遊具設置工事費は含んでいない。
現在、米沢市の屋内遊戯施設としては、平成31年(2019)10月11日に米沢市すこやかセンター1階に「もくいくひろば」が開設されたが、スペース的に狭く、中川勝市長は同年11月に行われた市長選挙において2期目の公約として、市民のニーズが高い、新たな屋内遊戯施設の整備を掲げていた。
事前調査施設として選定された「アクティー米沢」は、建築年が一番新しく(平成5年)、すこやかセンター内に整備した「もくいくひろば」と併せ、屋内遊び場の連携が図れることや、健診等で子育て世代には認知度が高いすこやかセンターに隣接していることなどから、子育て支援の連携が図れるメリットをあげている。
事前調査の実施後に、基本計画策定、子育て世代へのアンケート調査(遊具、付帯機能など)を行う計画だが、大型遊具・遊具設置工事費を含めた全体経費がこの日の報告では発表されていない。また、今年完成する市役所新庁舎建設事業、新型コロナによる米沢市の税収落ち込み、令和3年から始まる新病院の大型建設事業、また令和8年4月の開校を目指す(仮称)南西中学校の整備事業(長寿命化の場合約33億円、新築の場合約39億円)など大型事業が目白押しであり、米沢市の財政状況は今後10年間ほどは厳しい状況が続く見通し。新たな屋内遊戯施設の整備について、事業規模や実施時期など財政状況をにらみながら、市民や議会の理解を得て進めていく必要がある。