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8月6日午前8時すぎから米沢市役所庁南側に植えられている被曝アオギリの前で、「原水爆禁止米沢地区協議会(原水協米沢)」(髙橋英夫幹事、米沢市議会議員)が主催して、「原爆死没者の慰霊並びに平和祈念の黙とう」が開催され、約30人が参加した。
76年前の昭和20年8月6日午前8時15分、米軍により人類史上初の原子爆弾が広島市中心部の上空約600メートルで炸裂し、強烈な熱線と爆風、放射線により街は一瞬で破壊され、約14万人の生命が奪われた。爆心地から北東1.3㎞にあった旧広島逓信局中庭に植えられてあったアオギリは、幹半分が熱線と爆風で焼けたが、その後、青々と芽を吹き返し、被爆者に生きる希望を与えてきた。
このアオギリは、昭和48年(1973)に平和記念公園内に移植され、アオギリの種から育てられたのが「被曝アオギリ2世」として日本各地に植樹されている。米沢市役所庁南側に植えられている被曝アオギリは、日本が唯一の被爆国としてあらゆる国の核兵器が廃絶されることを願い、米沢市が平成21年度平和都市宣言事業の一環として、広島市から苗木を譲り受け移植されたもので、今年5月の新市庁舎完成に合わせて、敷地の東側から南側に移植された。アオギリは5メートルほどの高さまで成長し、青々とした葉を茂らせている。
中川勝米沢市長、相田克平市議会議長は、参加者らとともに、被曝アオギリの前で、原爆死没者慰霊と平和祈念の黙とうを行った。
中川市長は黙祷を終えて、「既に34万人を超える方々が被曝の塔に納められた。日本は唯一の被爆国であり、決してこのようなことを繰り返してはいけない。平和宣言都市宣言を行っている自治体として、しっかりと廃絶に向けて取り組んでいかなければならない。犠牲になられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げます」とコメントした。
主催者の髙橋英夫幹事は、「核兵器禁止条約が50か国以上の批准があり(2021年)1月22日より発効している。本来、世界の唯一の被爆国である日本が一番先頭に立って核兵器禁止条約を推進する立場であるがそれをやっていない、非常に憤りを感じる。実際に被曝体験をした人たちの年齢が84歳と高齢化、亡くなっていく状況の中で、被曝の悲惨さを次の世代に伝えていく最後のチャンス。日本も核兵器禁止条約の署名、批准という現実を迎えたいと強く思っている」と述べた。