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竹田 歴史講座

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電力の地産地消へ、おきたま新電力(株)設立の会

okitama-1 置賜圏内での再生可能エネルギーの自給率を高め、地域内の循環型経済の活性化を図ると共に、収益の一部を住民サービスなどの公益事業に活用しながら持続可能な地域づくりを行うことを事業目的に、「おきたま新電力株式会社」が設立され、10月8日、米沢市にある伝国の杜で約40名が出席して設立の会が行われた。
 同社は8月17日、伝国の杜で、出資予定者11人による設立発起人会が行われ、議案が承認されて8月30日に法人登記が完了した。代表取締役には、後藤博信氏(東北おひさま発電株式会社 代表取締役社長)、専務取締役に江口忠博氏、取締役営業本部長に川崎一人氏、監査役に佐藤廣志氏(エヌ・デーソフトウェア株式会社 代表取締役会長)、顧問に井上肇氏が就任した。みやまパワーHD株式会社(福岡市)の業務アドバイザー1名(非常勤)が加わる。資本金は8,750万円で、米沢市城西二丁目三番七十二号 MH東ビル102号室に本社を置く。

goto 設立の会では、発起人・役員を代表して後藤博信社長が、「置賜の5自治体で"ゼロカーボンシティ宣言"を行うなど、脱炭素化への挑戦が始まり、地域資源を持続可能な形で最大限活用することは、地域に産業を興し雇用を生み、富の流出を防ぎ、地域経済を活性化し、私たちの社会システムに変革をもたらす」と述べ、置賜の発電事業者が発電した電気を「おきたま新電力(株)」が購入して、置賜の需要家に利用してもらう地域需給一体型の再エネ活用を進めていく事業内容を説明した。
(写真左=挨拶する後藤博信社長)
 続いて、賛同者代表として、安房毅氏(株式会社タカハタ電子 代表取締役会長CEO)が挨拶、山形県知事(置賜総合支庁長代理)が来賓挨拶、今後の事業展望として、みやまパワーHD株式会社の磯部達氏が今後の事業展望「おきたま新電力が地域で実現していくこと」と題して、プレゼンテーションを行った。

 同社の事業への賛同者は、長井市、飯豊町、米沢市、川西町の4首長や、27一般団体・企業、2学識アドバイザーが名前を連ねている。
 令和元年(2019)、長井市と川西町が環境庁補助金による「電力の完全自給自足・置賜自給自足構想モデル事業」(米沢市、飯豊町はオブザーバー)を発足させ、同協議会の調査をもとに公益事業としての「新電力会社」の設立を検討した。その調査結果によれば、置賜三市五町全体では、産業用再生可能エネルギー設備が305施設、住宅用太陽光が2466件あり、年間合計596,175MWhが発電されている。この発電量は、置賜地区75,632世帯の年間電力使用量326,730MWhの約1.8倍に相当する。また三市五町の自治体は、年間に52,401MWhの電力量(一部推定)を使用している。
 おきたま新電力(株)は、自治体が使用する電力の半分を同社に切り替えてもらうことで経営基盤が安定するとしている。地域の再生可能エネルギー開発と電力調達を行いながら、令和4年4月以降、まず三市五町の自治体自治体向けに売電事業を手がける。その後、民間団体、会社へ営業を展開し、個人宅にも対象を広げる。
 事業計画では、3期目(令和5年)の売上5億2千万円、地域貢献事業費880万円~1330万円、当期利益2,200万円を見込む。
 記者との質疑で後藤博信社長社長は、「年間330億円のお金が置賜以外に流失している」として、同社の企業活動が「未来の受益につながるものでなければならない」と力説した。
 将来、個人宅への売電を拡げていくためには、電力料金が現状より低いなどのメリットを訴える必要性も出てくると思われ、現状よりどの程度価格が引き下げられるかに注目していきたい。