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昨年10月25日に、上杉家第17当主上杉邦憲様の内孫として誕生した、上杉紀憲(としのり)様の誕生記念植樹が11月7日、米沢市古志田町地内にある旧愛宕小学校跡地で行われ、当日は上杉家、矢尾板家、米沢市、米沢市議会、ようざんの桜協議会、地元の愛宕地区関係者ら20名余りが出席した。
(写真右=挨拶する上杉邦憲氏)
はじめに、主催者である「ようざん桜の杜」協議会会長の種村信次氏が、「上杉邦憲様のご協力を頂き、(ようざん桜の杜に)200本の桜を植えることになっている。5年目を迎え100本が植えられた。今回、紀憲様が誕生され、お祝いの植樹をすることになった。上杉家が代々、今後も素晴らしい伝統を背負いながら繁栄され、元気に紀憲様も成長されることを願い植樹をしたい」と挨拶を行った。
来賓の米沢市長中川勝氏は、「米沢にもっと花の名所を作りたいと思い、第17代邦憲様とお話をした。邦憲様より桜を寄贈してくれるという話になり、鷹山公と関わりのある愛宕地域の旧愛宕小学校のスペースに、「ようざん桜の杜」を命名させていただいた。上杉家が17代、18代、紀憲様の19代と続いていくことを米沢市民は喜んでいる。これからの成長を楽しみにご期待申し上げたい」とお祝いの言葉を述べた。
続いて記念植樹に移り、紀憲様はご両親の上杉裕憲・千絵夫妻に抱っこされながら、小さなスコップで桜の木の根元に土をかけていた。
(写真左=抱っこされながら、小さなスコップで土をかける紀憲様)
上杉邦憲氏がお礼の言葉を述べ、「裕憲の結婚、紀憲の誕生をご報告しなければならなかったが、コロナ禍の中でチャンスがなかった。(東京での)裕憲と千絵の家が偶然にもすぐ近くで、お付き合いをさせて頂いて、昨年1月に結婚、昨年10月に紀憲が誕生した。1年が過ぎて、(去る)10月25日に1歳の誕生日を迎えた。桜と一緒にすくすくと育ってくれることを願っている。このような立派な式をしてもらったことを忘れずに、立派に育って欲しいと思う。皆様に宜しくお願い申し上げます。」と挨拶した。
続いて、出席者で記念撮影を行った。(写真右=出席者で記念撮影)
植えられた桜は、神代曙(ジンダイアケボノ)というソメイヨシノ系の品種で、神代植物公園(東京都)で発見された桜。花は淡紅色で一重咲きの中輪で、ソメイヨシノよりも花色が濃く、グラデーションが目立ち、花付きが良い品種である。今回植えられた神代曙は、樹齢が6−7年となっており、3年後を目安に満開となる見込みだが、造園業者は早ければ来年に花を咲かせるかもしれないと話している。「ようざん桜の杜」に植えられた桜は、紀憲様誕生記念植樹を含めて140本になる。
当日は千絵様のご両親である矢尾板操・泰子ご夫妻も出席して、記念植樹や記念撮影を行った。矢尾板家の始祖は越前足羽郡の出で、後に越後蔵王堂(長岡)に移り、代々上杉家に仕えた。矢尾板操氏の先祖である矢尾板三印は米沢藩の儒学者で、寛文9年(1669)、米沢藩第4代藩主上杉綱憲(吉良上野介の息子)の侍医となり、綱憲の命で米沢藩初の学問所を創設した。そして元禄8年(1695)に「謙信公年譜」20冊、元禄16年(1703)に、「景勝公年譜」30冊を編纂した。
上杉裕憲様と千絵様の結婚は、上杉綱憲と矢尾板三印の350年来のつながりを改めて感じさせるものとなった。