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第69回文化財防火デーにあたる1月26日、米沢市御廟一丁目にある法音寺(高梨良興住職)で、火災防ぎょ訓練が行われた。この訓練は、国民の貴重な財産である文化財を火災や災害から守るため、出火時に消防機関が迅速かつ的確に実践活動を行い、消防署員及び消防団員が火災防ぎょ技術を習得することや、文化財関係者や地域住民の文化財に対する防火思想の高揚を図る目的で毎年開催されている。
(写真右=ダミーの文化財搬出する法音寺関係者)
この日は法音寺境内の立木に落雷し火災が発生し、折からの強風に煽られ火の粉が飛散し、法音寺への延焼の恐れがあるという訓練想定で行われた。訓練には、法音寺、米沢消防署員、米沢市消防団第2、6分団員ら約30人が参加し、指揮車、ポンプ自動車など消防車両7台が出動した。
訓練は午前9時30分に、法音寺の高梨良潤副住職が境内の立木が燃えているのを発見し、大声で「火事だー!」と法音寺内で火事ぶれを行った後、119番通報を行った。続いて指揮本部からの無線指令により、指揮車、ポンプ車、タンク車などが出動し、法音寺関係者はダミーの文化財を寺院から搬出した。
消防車からホースが伸ばされ、火災防御位置で1分間の放水が行われた。続けて指揮車がサイレンを鳴らし、その合図で1分間の一斉放水を実施した。一斉放水終了後にはホース等の撤収し、点検を行った。
(写真右=サイレンの合図で一斉放水を行う消防関係者)
閉会式では、法音寺の高梨良興住職、米沢市消防団の大平光信団長が挨拶し、最後に米沢消防署の吉田雄二署長が、「お寺での火災発生から通報訓練等の初期対応、消防署団員は積雪や周囲の状況を瞬時に判断し、最も効果のある火災防御活動を展開し、いずれをとっても実践に即した本番さながらの訓練であったことを評価する。今後ともさらなる訓練をお願いする。」と講評を行い、訓練を終了した。
(写真右=講評を述べる米沢消防署吉田雄二署長)
法音寺には、国指定の工芸品「金銅密教法具 五鈷杵」1口、「種子五鈷杵」2口と県指定の彫刻「銅造毘沙門天立像」1躯、工芸品の「金銅舎利塔」1箇の計5件の指定文化財が所蔵されている。