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米沢市は、同市と関わりが深い写真家秋山庄太郎氏(1920~2003)の功績を称え、写真文化の振興に寄与することを目的に、平成19年(2007)に「秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞」を創設している。
9月25日、置賜総合文化センターで第16回となる同賞の発表が行なわれた。(写真上=文化賞の写真を見る中川勝市長)
はじめに、主催者の中川勝米沢市長が「ここ3、4年、新型コロナのせいで応募点数が少なかったが、今年は47都道府県すべてから、また今までにない多くの点数が寄せられ嬉しく思います。18歳未満のユース賞を設けさせていただき、若い人の多くの出品を期待しています」と挨拶した。
続いて文化賞1点(自然・生き物部門)、部門賞2点(花部門1点、自由部門1点)、米沢賞1点(自由部門)、ユース賞(自然・生き物部門1点、自由部門1点)、入選として花部門、自然・生き物部門、自由部門の各10点計30点の受賞発表が行われた。
第16回同文化賞には、春日井義三さん(83歳、愛知県一宮市在住)の「影」(自然・生き物部門)が受賞した。葉の穴からカマキリが覗いている写真で、カマキリがユーモラスな表情に見え、シャープに描写された力強さがある。葉に映り込んだ影と顔とがアンバランスで、面白い効果が生み出している。珍しいシャッターチャンスを逃さず、「容易に撮れる作品ではない」と審査員が講評。(写真右=春日井義三さんの作品)
春日井義三さんは、「私はカメラが大好きで、気がつけばカメラの虜になっていました。沢山の先生に数々習いましたが、写真の写の字が分かったのもごく最近で、まだ一年生の私です。こんな私にこんな素晴らしい賞を頂けるなんて誠に嬉しくおもいます。この賞をきっかけにまた今後頑張って参ります。ありがとうございました。」と、受賞にあたりコメントを寄せた。
部門賞(花部門)では島田壽弘さん(79歳、新潟県村上市)の「シロバナツユクサ」が受賞した。バランスよくついた水滴が風に落とされないように急いで撮影したもので、花写真を愛する心が伝わってくるようだ。
(写真左=島田壽弘さんの作品)
部門賞(自由部門)では、山口元広さん(68歳、福島県田村郡三春町)の「湖岸に暮らす」が受賞した。撮影場所は、滋賀県高島市で、琵琶湖での漁に使う網の手入れ作業中で、草地に広げられた網がステージのよう。
(写真左=山口元広さんの作品)
米沢賞(花部門)では、山田哲夫さん(75歳、山形県米沢市)の「移住してよかった」が受賞した。自家菜園で採れた野菜とジャガイモを異なる材質の器に入れて撮影したもので、器の選び方と色の取り合わせが作者のセンスの良さを感じさせる。(写真右=山田哲夫さんの作品)
山田哲夫さんは、「『米沢』の名がついた賞をいただけてとても嬉しいです。田舎暮らしの醍醐味は、日々の暮らしの中にこれ以上ない新鮮な恵みがあることです。また、都会ではなかなか手に入らない贅沢な素材をどう使うかを日々考えるのも楽しい。この写真を見ていると、ここに移住してきて良かったと改めて思います。」とコメントしている。
今年初めての賞となるユース賞には、毛利友風さん(17歳、大阪府枚方市)の「秋意」と、井手口詩歩さん(17歳、京都府京都市)の「思い出」が選ばれた。
(上記写真左=毛利友風さんの作品、右=井手口詩歩さんの作品)
応募状況は、最年少11歳(女性)から最高齢98歳(男性)までの応募人数461人(第15回319人)、応募点数1,534点(第15回1,097点)、応募枚数1,689枚(第15回1,178枚)と、前回から大幅に増加した。
授賞式は令和5年10月21日(土)14:00からよねざわ市民ギャラリーで行われる。また入賞作品展は、10月21日(土)〜10月29日(日)まで、同ギャラリーで開催される。第15回秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞入賞作品展は、令和5年12月14日(木)〜12月20日(水)まで、東京都新宿区四谷1丁目のポートレートギャラリーで行われる。
写真提供=米沢市教育委員会