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JR東日本エネルギー開発株式会社が、米沢市栗子山周辺に計画している「(仮称)栗子山風力発電事業」について、環境影響評価法に基づく環境影響評価(環境アセスメント)が行われている。このほど、同社から提出された環境影響評価準備書(5段階中の3段階目)に対して、米沢市は5月10日付で山形県知事宛に米沢市の意見書を提出した。
(写真右=記者会見する近藤洋介米沢市長)
意見書は、令和6年4月1日付で、山形県から米沢市に環境影響評価準備書に対する意見を求められていたもので、意見書はA-4で4ページからなる。5月13日、近藤洋介米沢市長は臨時記者会見を開き、その内容と米沢市の考えを説明した。
近藤市長は、「米沢市に寄せられた様々な個人や団体からの意見を盛り込んたほか、4月26日に行われた全員協議会に意見書を提示し、議員からの意見を受け留めて意見書を提出した」と述べた。
意見書では、全般的事項と個別事項に分かれ、全般的事項では「事業計画」で事業の実施にあたっては、市民の理解が必要不可欠であり、周辺住民に対して十分なコミュニケーションを図り、事業の進捗状況を適宜報告し、相互の意思疎通に最大限努めた上で、事業による環境影響を積極的、かつ分かりやすく示すことを求めている。さらに、市民全体に向けての説明会を早急に行い、事業者としての説明責任を果たすことや、住民との意見交換を通して、誠実に理解の醸成を図り、合意形成を図ることを求めた。
米沢市の意見書は、市民から寄せられた意見を多く反映させたもので、「これらの意見を真摯に受け止め、適切に反映させることができない場合は、本事業計画について米沢市は是認しない可能性がある点に十分留意すること」と述べている。
(写真右=米沢市が山形県に提出した意見書)
また「調査及び評価」については、住民説明等において、調査結果に疑義を呈する意見があった場合は、調査方法の拡充や再調査等を実施し、調査結果の裏付けを着実に取ること、市民の安全・安心を確保する観点から、事業による環境影響を適切に予測及び評価し、最大限の環境保全措置を講じることを求めている。
個別事項として主なものは、
(1)野生鳥獣及び生態系に関する適切な調査を行い、その結果を踏まえ適切な環境保全措置を講じることで、野生鳥獣及び生態系への影響を極力回避又は低減すること。特に留意することとして、イヌワシ、クマタカ等の希少猛禽類の行動圏や生息状況の調査、希少な動植物の生息を発見した場合は、専門家や関係機関に報告し、環境保全措置を講ずること。
(2)騒音、粉塵、振動、水質汚濁及び土壌汚染等の各種公害対策を適切に講じることや、環境基本法に定める環境基準を遵守すること、廃棄物の処理について適切に行うこと。特に留意する点として、建設事業実施区域周辺の川、沢への影響を事前に調査し、地形などの地域特性を考慮した水質汚濁対策を求めている。さらに低周波音に関して、適切に対処すること。
(3)災害対策では、土砂崩れ、及び土砂の河川への流出等の災害対策を求め、地震や豪雨等、未曾有の災害が生じた場合を想定し、周辺地域に影響が出ないようにすること。万一、土砂災害が生じた場合における復旧方法や体制等を具体的に検討すること。
(4)景観については、フォトモンタージュを作成し、景観に関する意見交換を住民と行い、理解醸成と合意形成を図ること。
(5)その他として、市民との合意形成を図るためにも、米沢市に対する地域貢献事業を具体的に計画し、説明すること
などを求めている。
「この意見書を通して重視することとは?」との問いに、近藤市長は、「事業者が全市民に対してこの計画を提示して意見を交わすことが大事だ」と述べ、これらの意見を真摯に受け止め、適切に反映させることができない場合は、「米沢市として是認できないと表明することはあり得る」と強調した。
また「4,900人の反対署名をどのように受け止めるか」に関しては、「多くの人が懸念している。全員協議会においても景観の心配が出され、幾つかの懸念材料がある」と述べた。
米沢市は県に提出した意見書を5月13日午後に市のホームページに掲載する。また5月14日に、JR東日本エネルギー開発株式会社に対しても意見書を渡すという。