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観光名所の米沢市松が岬公園内菱門橋が損壊

1 12月23日、米沢市は同月21日(土)の夜間に発生した松が岬公園地内の堀に架かる菱門橋の損壊状況などを発表した。
 それによれば、12月21日午後9時50分頃、警察へ市民からの通報で、菱門橋が損壊しているとの情報が寄せられ、同日午後10時20分頃、警察から米沢市へ連絡が入り、警察と米沢市が合同で立入禁止措置などの現場対応を実施した。12月20日(日)午前0時過ぎには立入禁止措置が完了し、午前9時に再度現場確認を実施して立入禁止措置を強化した。
 12月20日に確認した損壊状況は、土台となる石積みが崩落したことで菱門橋が損壊したと考えられ、空積み(接合剤等を使わない)が時間経過により緩みや乱れが生じ、崩落して菱門橋の損壊につながったと想定される。石積みの崩落原因は調査中。橋は幅員が3.5m、橋長が9.5mあり、損壊したのは公園側で約80センチ沈下して橋が傾いた状態になっている。
 この橋は昭和42年4月に米沢市が整備したもので、現在、米沢市都市計画課が管理している。歴史的には米沢城本丸跡の南側堀に架かる太鼓橋で、橋名は江戸時代に本丸御殿からの南側の出入り口と塩硝蔵をつなぐ橋として、その通行を厳重に取り締まったことから「秘し門橋」と称されたことに由来する。損壊した橋は赤く塗られて目立ち、松が岬公園を代表する写真スポットとなっていた。
2 12月25日行われた市長記者会見で近藤洋介市長は、「菱門橋は松が岬公園の象徴的な施設であり、重要な観光施設であることから復旧は急ぐべきである。崩壊の状況、復旧の方法などについて調査着手した。その結果で復旧に向けた施工方法やスケジュールなどを明らかにするが、冬季間でもあり、調査、設計などには相当の時間を要すると思われ、初詣など不便をかけるが理解をお願いしたい。市民にはSNS、ホームページなどで周知を図る。復旧費用は象徴的な施設であることから、クラウドファンディングのような手法も検討したい。怪我の人がおらず、大事に至らなかったことは不幸中の幸いだった」と述べた。石垣の調査、保全などは、月に一度維持管理業者が目視点検を行っており、11月、12月も異常がなかったとしている。
 米沢市の観光施設関連では、令和4年2月、上杉記念館の塀が雪の重みで道路側に数十メートルにわたり倒壊した例があり、この時も幸い怪我人はなかった。今回の菱門橋は市民、観光客など通行人も多い場所であり、米沢市は観光関連施設を始め、公共施設の維持管理をどう有効に実施していくかが問われているが、近藤市長は、「(米沢市の所有する施設は)いろいろある。それぞれの所管の部署で注意を喚起して、耐用年数に合わせた適切な管理をやっていきたい。」と述べた。