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南陽市は、2月21日、令和7年度当初予算案の概要を記者会見で発表した。一般会計の当初予算額は172億1千万円で、前年度比+5億3千万円、率で+3.2%の伸びとなり、過去最大の予算編成となる。
白岩孝夫市長は、新年度の予算案について「DXと防災でまちづくりを強化する予算である」と述べた。
(写真右=新年度予算を説明する白岩孝夫市長)
歳入では、市税は賃金上昇による個人市民税の増収を見込み、前年度を5,896万円上回る36億4,533万円。(前年度+1.6%)、地方交付税は前年度を1千万円上回る46億5千万円(同+0.2%)を計上した。国庫支出金は、制度改正による児童手当負担金の増などから、前年度比1億3309万円上回る22億5,285万円を計上(+13.1%)。市債は投資的経費の減少により、前年度を1億980万円下回る7億300万円(▲13.5%)とし、歳入全体に占める市債の構成比は4.1%で、前年度比で13.5%減少。ふるさと納税は10億円を見込み前年同額。
歳出では、人件費が人事院勧告により、前年度を1億4,204万円上回る29億3,391万円(前年度比+5.1%)と大幅に増加した。扶助費は障害福祉サービス費、児童手当の増加などにより、前年度を2億5,655万円上回る35億1,369万円(+7.9%)。投資的経費は宮内地区交流センターの建設事業費が終了により、普通建設事業費は前年度を2億2,257万円下回る11億6,605万円(▲16.0%)。維持補修費は、市道除雪委託料の増加などにより、前年度を924万1千円上回る3億1,724万円(+3.0%)、物件費はDX推進事業費やふるさと納税ポータルサイト委託料の増加などにより、前年度比4億169万円上回る24億4,025万円(+19.7%)を計上した。
公債費は前年度比704万円上回る15億3,532万円(+0.5%)となる。市債残高は7億1,837万円減少(▲4.9%)するも経常収支比率は95.5%となり前年度比で0.4%悪化。また実質公債費率は13.8%程度で前年度より0.8%悪化した。
(写真左=南陽市役所)
主な施策では、安全な暮らし、子育て支援、人材育成、産業基盤の構築など、7つの基本目標を施策の柱として、市民の暮らしと安全を守り、生活に直結する事業を最重要施策に位置付けた。
■「新たな日常(ニューノーマル)を構築する」
DX推進事業費1億1,264万円とし、自治体情報システムの標準化、外部デジタル専門人材を任用し、業務改革を図るほか、デジタル時代の住民ニーズに合った行政サービスを提供していく。
■「健やかで安心な暮らし・子育てを実現する」
・保育人材確保事業として、121万円。奨学金を利用して保育士資格や幼稚園教諭免許を取得し、市内保育所等で働きながら奨学金を返還する人への返還補助事業。(月額1万円を上限に最長36カ月)保育士等宿舎借り上げ支援事業を新たに創設し、(月額家賃の3/4で上限35,250円)市内の保育等施設における保育人材の確保を支援する。
・CSS(子どもサポート人材)1名を地域おこし協力隊として募集し、安全安心な保育環境の維持改善を図る。581万円。
・健康まちづくりの推進。なんよう健幸ポイント事業の規模を拡大し、新たに1,000人を募集。健幸ポイント事業4,603万円、健幸コンディショニング事業費150万円。
・地域生活支援拠点強化事業として、障がい児・者の支援について、新たに「基幹相談支援センター」を設置し、総合的・専門的な相談支援体制の構築。801万円。
・引きこもりアウトリーチ支援事業として、619万円。義務教育終了後の青年層への支援として、新たに引きこもりや不登校相談支援として、赤湯駅前に拠点を置き支援。619万円。
■「力強い産業の基盤を作る」
・獣害防止対策事業として、猟友会と連携・協力し有害鳥獣の捕獲に取り組む。クマ捕獲の報酬を1頭あたり1万5千円から3万円へ倍増。995万円。
・「地域おこし協力隊」事業費として2,151万円。ワイナリー創業希望者、農山村地域のおける地域資源を活用した地域活性化支援員及び中山間地域におけるスマート農業支援員など5名分を計上。
■「強くてしなやかなまち・住みよいまちをつくる」
・災害対応力の向上として、トイレカーを一台導入する。予算額4,562万円。市道六角町富貴田線の整備として、1億3,051万円。住民の憩いの場となる花見町古堤水辺空間の整備に1億1,987万円。
■「自然の豊かさを守る」
・秋葉山焼損森林再生事業に416万円。焼損被害の激しい箇所を対象に、被災木の除去と新たな樹種苗木の植栽。416万円。
■「発信力あるまちづくりを進める」
・観光資源の整備として、烏帽子山公園北側見晴らし台周辺に、桜の植樹等の整備、ライトアップ機材の増設、双松バラ園の花壇の補修やバラの樹勢回復に着手。2,770万円。
(写真左=烏帽子山公園の桜:資料写真)
3月補正予算として、「市民体育館特定天井脱落対策工事」事業費3億8,130万円が上程される。
(写真右=南陽市民体育館)
特定天井とは、脱落によって重大な危害を生じる恐れがある天井のことを言う。既存天井を全面撤去し、軽量な天井を新設する改修工事を行い、指定避難所の耐震機能強化を図るもの。改修公j日は令和7年4月から来年3月まで掛かる予定。国の緊急防災・減災事業債による事業となっており、令和7年度内に工事を完了する必要があるため、3月定例会に補正予算として上程する。体育館のメインアリーナ、サブアリーナは1年間利用が制限されるため、代替施設として、沖郷体育館、赤湯体育館、市内の小中学校の施設で利用可能な体育館を案内する。
令和7年度南陽市一般会計、特別会計、企業会計の当初予算案、3月補正予算は、令和7年3月定例会に上程される。