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現在、日本のパラグライダー人口は、約1万人と推定されています。米沢市徳町在住の皆川純一さん(74)は、今年パラグライダー歴22年になるベテランパイロットです。皆川さんがパラグライダーを始めたのは52歳の時でした。自宅の隣りにある公園で、パラモーターをしている人を見かけて自分もやってみたいと思い、南陽スカイパークエリアにあるパラグライダースクール「ソアリングシステム」の金井校長を訪れました。
結果的にエンジン付きのパラモーターではなく、風まかせのパラグライダーに挑戦することになりました。金井校長の指導のもとで練習に励み、2年後にはパラグライダーのパイロットの資格(日本ハング・パラグライディング連盟認定)を得ました。現在は、年間50回以上、これまで2000回以上のフライトを楽しんできました。1回のフライトで3時間飛び続けた時もありました。北海道や富士山、また海外にも遠征したことがあります。雄大な富士山を目の当たりにしながらのフライトは格別だと話します。
皆川さんの主なフライト場所は、南陽スカイパークエリア(通称:十分の一山)です。国道13号線の鳥上坂を登りきったところから、高ツムジ山に向かう途中の標高約500mにテイクオフ場所があります。眼前には置賜地方の田んぼが広がります。着陸地点付近に障害物がなく、初級者から上級者まで安心してフライトができる環境だとパラグライダー愛好家の人気エリアになっています。
10月28日、皆川さんが十分の一山からフライトを行うという知らせを受けて取材に向かいました。午前10時半頃にテイクオフ場所に行くと、天気は晴れでしたが眼下の低い位置に雲が横に広がっていました。皆川さんは、これは「逆転層といって上の方が密度が低いため対流が起こらないので、このような場合は上昇気流が発生しない」と話しました。そこで日が昇り気温が上昇するのを待つことにしました。しばらくすると、飛行が楽しめる状態となりました。すると仲間が次々と飛び立って行きました。
いよいよ皆川さんの番がやってきました。進行方向に対して後ろ向きになって、パラグライダーの帆を立ち上げ、満帆にしたかと思うと、今度は向きを変えて斜面を思い切り走り降ります。すると、パラグライダーは大きな帆を膨らませて上空に舞い上がりました。
着陸地点にカメラを移動して上空を眺めると、豆粒のような皆川さんのパラグライダーが見えました。テイクオフ付近の空を悠々と舞っています。30分位上空でフライトをした後、円を描きながら段々と降下して目の前に迫ってきました。そして、見事なランディングを果たしました。