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小松皇大神社獅子巡行、各家の安寧を祈って練り歩く


 

 川西町上小松にある小松皇大神社の伝統行事、「獅子巡行」が、9月15日開催され、上小松南区内を練り歩きました。同神社の獅子は長井市の黒獅子の流儀を引き継ぎ、獅子巡行は大正末期頃に始まり、戦時中も続けられました。
 
 当日は朝6時から同神社本殿で神社役員らが参列する中、出御祭が執り行われました。今年の獅子頭は細谷吉和さん(45歳)、警護(けいご)は加藤聖隆(きよたか)さん(41歳)で、ふたりとも初めてのお務めです。獅子の中には15人の男性が入りました。
 細谷さんは、昭和54年に父親も獅子頭を務めたことがあり、「獅子頭を引き継ぐプレッシャーはありますが、上小松の人たちに感動と勇気を与えることができるよう、感謝の気持ちを込めて無事に成功させたいと思います」と意気込みを語っていました。
 獅子の練習は、9月2日から仕事が終わった夕方から始め、「勢い」、「振りの大きさ」、「すり足」などの動きを先輩に教えてもらい、本番に臨みました。

 神事が終わりると細谷さんの頭には獅子頭が被せられ、獅子は1年の眠りから覚めたようにあたりをジロッと見回しながら、魂が宿ったように見事な龍の動きを見せました。お囃子連は、軽快な太鼓と笛で獅子の動きを誘うように音楽を奏でました。
 役員や獅子連の記念撮影が終わると、早速獅子は町中に繰り出し、各家の玄関先で待つ人々から出されたお酒や初穂料、スルメをその大きな口の中に飲み込みました。南区内の信徒たちは、獅子の大きな口の中に頭を入れて、家内安全や子供の健やかな成長などを祈りました。

 獅子たちは町内の所々で休憩を取りながら、12時間かけて南区内約350戸を回り切り、午後8時過ぎには神社鳥居前で、獅子と子供神輿が交互に登場し練り歩きました。お囃子連のにぎやかな太鼓と笛の音の中で、獅子、子供神輿、観客を交えて、祭りはクライマックスに達し、宮入りを促す警護と獅子が力比べを行い、遂に獅子がお宮入りとなりました。鳥居の前で獅子と警護がポーズを取ると、観客は盛んに撮影を行っていました。

 最後に神社本殿で還御祭の神事を行い、神職が獅子連や子供神輿連に対してねぎらいの言葉をかけ、全員で万歳三唱をして今年の獅子巡行を終えました。日中は激しい雨に見舞われましたが、今年も獅子巡行によって神社と南区内が一体となった大きな感動のドラマが繰り広げられました。