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米沢市笹野本町にある真言宗長命山幸徳院(笹野観音)で、1月17日、毎年恒例の「十七堂祭」柴燈大護摩供火生三昧(さいとうおおごまく かしょうざんまい)と呼ばれる火渡りの行が行われました。このお祭りは、山伏(修験道)の行者や参拝者が護摩札を奉持しながら火の中を歩いて渡り、家内安全や無病息災を祈るものです。
山伏が法螺貝を吹きながら境内地に入り、観音堂に参内して一周した後、杉葉や木を積み上げた護摩壇(ごまだん)の前で、悪や災いを払う柴燈護摩祈願を行いました。護摩壇に点火されると勢いよく燃え上がり、もうもうと煙が空に向かって立ち上り、人々の苦悩や罪を焼き尽くしてくれました。山伏たちは「六根清浄」と唱えながら、護摩壇の周りを回りました。護摩壇の火が弱まると、火渡りする場所を綺麗に整えて、水を加えながら火勢を調整しました。
幸徳院住職を先頭に山伏が次々と残り火の上を気合とともに裸足で渡り、次にお札を手にした参拝者が住職の「やー」という掛け声とともに次々と火渡りの行を行いました。最後に残り火で古いお札をお焚き上げして、山伏たちは道場を後にしました。この日は開始直後は吹雪となりましたが、その後は穏やかな天候となり、境内に降り積もった雪で白銀の中でのお祭りとなりました。
笹野観音幸徳院は、征夷大将軍坂上田村麻呂が千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)を迎えて祀り、弘仁(こうにん)元年(810)7月に落成した1,200年余りの歴史を有する古刹で、置賜三十三観音札所の一つとしても知られています。