![]() |
米沢金剛会(金子晃会長)は、2月2日、米沢市門東町にある招湯苑'堀之内会館'において、初謡会を開催しました。出演者は、簡易な能舞台で、「洗米、塩、お神酒を頂いてから始める」という神聖な儀式を行い、能楽では祝言曲として別格に扱われる能"翁(おきな)" から素謡(すうたい)という鼓や笛などの囃子や舞を伴わないで謡曲のみをうたう形式で、『神歌』(かみうた)という年に一回のみ謡われる曲をうたいました。
令和7年度「新春謡曲大会」では、「雪」を皮切りにスタートしました。この「雪」の曲は、金剛流のみで謡われているもので、雪の精が現れて、舞を舞って姿を消すというものです。
他には、「放下僧(ほうかそう)」、「咸陽宮(かんようきゅう)」、「阿漕(あこぎ)」など8番組が午前と午後にわたって繰り広げられました。最後に、会員4人が「唐船(とうせん)」、「笹之段」などの4演目の仕舞を優雅に舞いました。
米沢の金剛流は、米沢藩第4代藩主上杉綱憲が第15代金剛流能楽宗家の金剛又兵衛長頼の弟又左衛門を俸禄をもって召し抱え、死ぬまで上杉藩の家臣の指導に当たったことを契機に、第8代重定が発展させたことで広まったという歴史があり、今日まで400年弱の歴史に有する米沢の伝統文化の一つとなっています。米沢では結婚式で全員が謡三題を唱和する伝統があり、又お祝い事では謡や仕舞で会場を引き締める役目も果たしています。米沢金剛会ですが、会員の高齢化と減少により、次代への継承が大きな課題となっています。