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米沢市六郷町にある公益財団法人農村文化研究所(遠藤宏三理事長)は、6月20日、グランドホクヨウにおいて、同研究所創立50周年と同研究所所長佐野賢治先生の著書「民俗学と現代社会 民具・民俗博物館の視角から」(春風社、2026年4月30日発行)の出版を記念する祝賀会を開催しました。
はじめに、主催者を代表して、公益財団法人農村文化研究所の遠藤宏三理事長が挨拶し、同研究所設立の経緯やこれまでの50年に及ぶ活動などを振り返りました。
遠藤理事長の父である遠藤太郎氏(故人)は、昭和42年に広井郷幼稚園の傍に「民具館」を創設し、それまでに収集した5,000点に及ぶ農具、生活器具、職人の道具、考古資料、文献などを収蔵しました。
昭和45年頃、東京教育大学(現筑波大学)の学生が六郷町を夏季に訪れ、収集品が整理され台帳管理されました。その後、会員が350名余り集まり、昭和51年6月に農村文化研究所(山田東助理事長、江田忠所長)が設立され、昭和54年4月財団法人認可(鈴木仁理事長、佐野賢治所長)を受けました。「民具館」は、その附設となり、名前も「置賜民俗資料館」としてスタートしました。昭和63年8月には、第1回目となる「農村文化ゼミナール」を開催し、昨年まで38回を数えています。
置賜民俗資料館敷地内には、平成元年に米沢市指定有形民俗文化財、平成9年に国指定重要有形民俗文化財となった行屋や、草木塔、飯豊山碑、戦争資料館などが設置されています。
次に、同研究所所長の佐野賢治先生がこれまでの研究生活を振り返り、スライドを使って民俗学が果たす役割などについて講演を行いました。佐野先生は、東京教育大学の学生時代から米沢を訪れ、当地の民俗学を研究してきました。神奈川大学教授時代には、国内外の学生を引き連れて、米沢の農村をテーマとする民俗学を研究する傍ら、農村文化研究所の活動を支援してきました。
今年4月に刊行された著書「民俗学と現代社会 民具・民俗博物館の視角から」は、米沢を第二の故郷と述べる佐野先生の集大成とも言える出版で、「民俗学は現代社会においてどのような意味をもち、貢献ができるのだろうか。」というテーマが貫かれています。
民俗学者である柳田国男(1875−1962)は、「民俗学は人間社会全体の幸福実現に資することを目指す学問であり、そのためにはそれぞれの民族の生活、民俗文化を理解する必要がある」(『先祖の話』筑摩書房、1946)と述べていますが、佐野先生は、まさにこの柳田の教えを忠実に実践してきた研究者です。
著書のあとがきの中で、「真の世界平和を実現するためには、遠回りのようでもこの地球上の一地域住民としての生活を営む立場を原点に、他の民族や国々との共感・共属意識を醸成し、つながりと相互理解が求められる」と述べています。
米沢を中心に建立されている草木塔の歴史を紐解きながら、その普遍的精神が世界の平和に寄与できることを述べました。