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          文芸サロン


  孟宗おきたま俳句会 十一月

  TPPを知らぬ稲穂は黄金色     嵐田とみ

  道標を見て洞窟へ澄める秋      大塚野菊

  まほろばは紅葉に染りちぎれ雲    寒河江孝子

  落日にいよいよ染まり蔦紅葉     佐藤幸子

  平和とは怒号野次なき芒原      木村 舳

  台風の夜半や深き孫眠る       金子松太郎

  新そば打つ匠のリズム腰にあり    髙橋忠子

  京紅葉見返り地蔵に手を合わせ    島津繭子

  花枯らし若葉茂らす万寿沙華     島貫文昭

  色変えぬ松また若き丈のびて     渡辺未知子

  晴天や秋の花々実家裏        山田千代子

  御社の杜は錦に秋深む        二瓶あんじゅ

  刈り跡の山際までの広さかな     片平仁右衛門

  晩秋や白菜の巻ぎっしりと      皆川京子

  少年隊公孫樹たわわに大隣寺     佐藤繁夫

  栗御飯籾殻竃亡母がいて       安部とよ

  なまけものぬらりくらりとなめくじら 有路シズヨ

  晩秋や縄文村の壷棺         加藤啓子

  老の日の気ままな日課夕暮るる    山中よし

  一束にお祓い受けし秋祭り      鏡たか子

  米研いで一人の秋灯消しにけり    小島敏雄

  蔵王嶺のもみじを走る雲の影     村上清江

  まほろばの古将の墓碑や栗の毬    沢田稲花


 (2015年11月15日17:20配信)