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米沢市上杉博物館、国宝「上杉家文書の世界」で謙信等の手紙展示

1 米沢市上杉博物館は、令和8年2月14日(土)から3月15日(日)まで、国宝「上杉家文書の世界」VIII〜上杉氏からの手紙〜謙信・景勝・家臣たち〜、を展示する。
(写真右=展示の解説を行う阿部哲人学芸員)

 米沢藩上杉家に伝来した「上杉家文書」(米沢市上杉博物館蔵)は、平成元年(1989)、米沢市に寄贈され、平成13年に国宝指定されたが、それは鎌倉時代から大正時代に至る2千点に及び、家の由緒を証しする
重要な古文書であると同時に、手紙がやりとりされた当時のままの姿で保存されていることが高く評価されたことによる。
 国宝「上杉家文書の世界」と題する展覧会は、平成13年の開館以来、同博物館では8回目となり、今回は上杉謙信や景勝、家臣たちが出した書状について、書き方、使われた紙の形や質などに注目して、特徴などを解説している。
 展覧会に先立ち、2月13日、内覧会が行われ、同館学芸員の阿部哲人氏が解説を行った。阿部氏は、「手紙は出す人がいて、貰う人がいるが、(封建時代は)上下関係が厳しかったことから、誰が誰に出すのか、どんな紙に、どう書くか、という手紙のルールがあった。形、紙質、折り方にヒントがある。」、また手紙では、「島津家のものは平安時代から1万点あるが巻物になっている。上杉家のものは鎌倉時代末からの2千点だが、やり取りされた当時のままの形で残されている。」と述べ、上杉家文書の史料的価値を紹介した。
 展示内容は、下記の5章から構成され、合計41点の古文書が展示された。
一、書状の形・紙質
二、形に見る謙信・景勝の書状
三、書札令からみる謙信・景勝書状
四、家臣たちの文書
五、略称の流儀

 書状の形・紙質では、「竪紙」(たてがみ)と言われる日本の書状の基本形があり、1枚か、2枚で構成され、公文書には年が書かれ、年が付かないものが手紙となる。他に、「横切紙」と言われる鎌倉時代あたりから使われる形式があり、謙信や景勝は、送り状、外交関係などに使用した。さらに「折紙」というものがあり、平安時代後半から使用されはじめた形式で、土地を安堵するする時などに使用された。また「横内折」という、1500年代、中部地方から東の国で使われた特殊な形も紹介された。文章に合わせて紙を切り、文章が長くなると貼り付ける場合もあるという。謙信が「竪紙」に書いた手紙は現在、7通が確認されているという
 紙の質は、①楮(こうぞ)(楮紙:ちょし)と②ひし(雁皮:がんぴ)を材料にした紙がある。
 
2 戦国時代、名前をあげることは武家の大変な名誉であり、室町幕府より裏書のところの自分の苗字を省略することを許された「裏書免」という上杉景虎(謙信)の手紙も面白い。
(写真左=裏書免の手紙)

 謙信から長尾政景に当てた書状には、「恐々謹言」という「書止文言」(本文を結ぶ言葉)が書かれたものがあるが、1564年頃に、謙信が長尾から上杉を名乗るようになると、「謹言」と変わり、政景との上下関係が変わったとみられる手紙も見ることができる。
3 また、永禄12年(1569)、直江景綱から山吉への手紙では、人の名前を略して「山孫」と書いているものなどもある。
(写真右=宛名が「山孫」と書かれた直江景綱の手紙)

 上杉景勝が直江兼続(与六と書かれた)宛の手紙では、「上条冝順がくるので、来るように」と書かれたほとんどひらがなで書かれた全くくだけた、面白い手紙も展示されている。
 手紙の形からその当時の上下関係、戦さなどの社会状況、書いた本人の精神状態などが見えてくる。
 ギャラリートークは、2月14日(土)、3月14日(土)、午後2時から、阿部哲人学芸員による展示解説が行われる。(要入館料、事前申込不要)

 また米沢市教育委員会社会教育文化課が主催する上杉文書史料調査公開シンポジウムー「上杉文書」とは何かーが、3月15日(日)午後1時〜4時15分まで、置賜総合文化センター203研修室で開催される。
 これは令和3年度から同7年度にかけ、文化庁の国庫補助事業を活用して、米沢藩上杉家に伝来した「上杉文書」(米沢市上杉博物館所蔵)の詳細調査を行った調査成果に基づく発表となる。
 コメンテーターは、元仙台市史編纂室長の菅野正道氏、発表者・パネラーは、米沢市上杉博物館上杉文化研究室長の角屋由美子氏が「『上杉文書』の成立と伝来、特徴」、米沢市上杉博物館学芸員の佐藤正三郎氏が「『米沢藩』研究の多様な展望〜二代定勝から九代鷹山へ〜」、防衛大学校准教授の友田昌宏氏が「目録から見える『上杉文書』の可能性〜幕末維新期を中心に〜」の3名が発表と語り合う。
 定員70名、入場無料。問い合わせは、社会教育文化課。電話 0238−22−5111。