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米沢市政協議会、市立東成中学校開校延期問題で議論百出

1 近藤洋介米沢市長が出席し、「米沢市立東成中学校の開校延期について」をテーマにした米沢市政協議会(議会の開会中に、市当局と市議会議員が事務の管理・執行について連絡調整を図るために開かれる協議会)が、3月3日、米沢市議会議場・委員会室で開催され、2時間余にわたって激しい質疑が行われた。
(写真右=3月3日に行われた市政協議会)
 はじめに近藤洋介市長から、米沢市立東成中学校の開校延期についての背景の説明が行われた。それによれば、令和11年度に第一中学校と第七中学校を統合、開校予定している東成中学校が特別支援学級数の増加に対応して、第一中学校校舎の内部改修や3教室分の増築、長寿命化対策等を含めて、概算10億5,400万円の改修費用となる見込みであることが報告され、現在建設が進む南成中学校の整備費用は、当初の見込み額の約60億円から約80億円に大幅な増加に加え、学校給食共同調理場や北成中学校、広井郷小学校に係る整備費用などから教育予算が莫大なものとなっており、市全体の財政状況が令和13年度まで実質単年度収支のマイナスが続くなど、厳しい状況が見込まれると述べた。(実質単年度収支見込みは、令和11年度△4億5,800万円、同12年度△2億4,000万円、令和13年度2,700万円、同14年度+1億3,500万円、以降+が継続、但し、この数字には第一中学校改修費の後年度負担額等は含まれず)
2 さらに、近年の猛暑に伴い熱中症対策を強化する必要性から、学校体育館への空調設備設置の要請が市民や議会から再三寄せられている中で、令和15年度までの国の補助制度創設に伴って学校体育館への空調設備設置が国全体の大きな流れになっているとした。
(写真左=米沢市立第一中学校)
 近藤市長はこれらを踏まえて、「限りある予算の中で事業の取捨選択から、東成中学校の開校を当初予定の令和11年度から3年延期して令和14年度に行い、その間に中学校への空調設備設置を進めていきたい」と説明した。
 神保朋之総務部長らが補足説明を行い、開校に向けて整備する施設に係る増築分の事業費が、生徒数の減少により数年後には過剰投資となる見込みであることや、学校体育館の避難場所として対災害性の向上を図る必要性、また部活動地域展開(令和8年9月本格展開)を見据えて、特に中学校への空調設備設置を急ぐ必要があることを説明し、さらに第七中学校の学級数が生徒数の減少により令和15年以降、1学年1学級となる学年が発生することなどをあげた。
3 開校延期に伴う影響としては、小規模校としての教育環境が継続することや、既に令和11年度開校が地域や児童生徒等に広く意識されていること等をあげた。
(写真右=米沢市立第七中学校)
 開校延期に向けたこれまでの経緯としては、令和8年1月7日、総合教育会議で近藤市長から教育委員に方針を説明し、同日、市長の方針を受けて教育委員会を開催、開校延期が不可避である場合のやむをない対応として、米沢市立学校適正規模・適正配置等検討委員会を設置し検討することを決定した。
 市議会に対しては、2月13日、市側が議会全員協議会の中で説明したが、議会側は納得せず、3月3日、市政協議会で再度市長の出席を求め質疑が行われた。市当局側は、新年度に米沢市立学校適正規模・適正配置等検討委員会を設置し、基本計画の見直しを協議する考えを持っている。

 中学校への空調設備設置費用に関しては、1校あたり、1億円から1.5億円(断熱施工含む)がかかるという見通しだが、詳細な設計や見積もりはまだ実施しておらず、議会側へは示されなかった。国の支援制度(空調設備整備臨時特例交付金、令和15年度まで)では、上限額が1.4億円(GHP)で、市の実質負担は約25%となる。
 また。学校施設環境改善交付金(大規模改造)では、上限額が7,000万円で、市の実質負担は約52%という支援制度がある。

 山形県内各市の空調設備整備状況は、山形市が市内対象校51校全てについて令和7年度から令和15年度までに整備する予定で、特別教室への空調設備整備も併せて実施する。村山市は、市内対象校9校のうち、3校で整備済み。残りの学校も順次計画し整備する。長井市は、市内対象校8校全てで整備済み。尾花沢市は、市内対象校7校全て未整備だが、今後、建設予定の統合小学校に整備する。天童市、東根市、酒田市は検討していく。全国の設置率は、22.7%(令和7年5月1日現在)。
 令和2年度時点の令和11年度東成中学校開校時の不足教室の見込みは、生徒数の見込みから4教室と見込んでいたが、令和7年度時点の令和11年度東成中学校開校時の不足教室の見込みは、5教室と増加した。その理由は、特別支援学級が2教室から5教室に3教室増加することが見込まれることによる。但し、令和7年に第五中学校の統合時に第一中学校の内部改修を行い2教室増設したことで、1教室の増加で対応できる見通し。
 令和2年度に検討した学校施設長寿命化計画においての校舎教室数不足の対応経費(校舎増築)は約1億円だったが、この時点では、長寿命化改修や屋内運動場への空調設備整備は想定していない。令和7年度時点の新まちづくり総合計画実施計画(内部改修+校舎増築)の経費は、約5億1,400万円で、長寿命化改修や屋内運動場への空調設備整備を含めた統合改修工事に係る事業費は約10億5,400万円となる。
 令和2年度当時に想定していなかった大きな要素として、
①特別支援学級の増加
②急激な物価高騰等による事業費の増大
③異常気象による熱中症対策
をあげている。

 議員からは、「特別支援学級の設置基準はどのようにして決めるか」、「学校統合とエアコン設置の話は別物ではないか」、「適正規模・適正配置は、教育委員会が令和11年ということで主体的に行ってきたが、子供のことを考えれば予定通り進めていくべきではないか」、「特別支援学級が5教室不足するというのはいつから把握したか」、「令和11年度の開校と同14年の開校では、第一中学校の改修費にさほど差がない。(11年度開校時10億5,400万円、14年度開校時10億7,140万円)」、「余剰教室はない方が良いのか」、「改修費用に係る起債や後年度負担などのシュミレーションは実施しているのか」、「開校延期に関しては、議会での議決後に地区説明会を実施すべきではないか」などの質問や要望が出された。
 近藤市長は、「統合の方向を否定した訳ではない。しかしながら、今般の異常な気象状況や第3中学校(での熱中症による死亡)を踏まえて、(米沢市総合まちづくり計画2026ー2035の)前期まちづくり基本計画の中で、やるならば4中学校同時に冷房装置を付けなければならない。全般を勘案してひとつの方向を出させて頂いた。」と回答した。神保部長は、「地区説明会は4月中旬頃に行いたい」との考えを示した。

 2月13日に行われた議会全員協議会に続いて、この日の市政協議会でも、市当局と議会側の考え方が真っ向からぶつかり合い、合意形成を図ることができなかった。統合改修工事に係る事業費10億円余、屋内運動場への空調設備整備に関わる事業費に関して、「起債額や後年度負担額などのシュミレーションデータを議会に提出してほしい」という議員側の要望に市側がどう対応するのか、その数字で議会側を納得させることができるのか、が今後の焦点の一つとなる。
 これまで適正規模・適正配置ということで、議会や住民、学校や児童・生徒らに説明し準備を進めてきただけに、財政難を主な理由に3年間開校を遅らせるという市当局の方針が、果たして議会や地区住民を納得させることができるのか、結論が出るまでにはなお紆余曲折がありそうである。