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米沢市、東成中学校開校延期に関する説明会を3会場で実施

1 米沢市は、令和11年度開校を計画する東成中学校の開校時期を令和14年度に3年延期することに関する住民説明会を、4月17日(金)に上郷コミュニティセンター(以下、コミセン)、4月18日(土)に万世コミセン、4月23日(木)に東部コミセンで、近藤洋介市長らが出席して実施した。
(写真右=第1回目の住民説明会が行われた米沢市上郷コミュニティセンター:資料写真)
 このうち第1回目となる4月17日の上郷コミセンでの説明会は、18時30分から19時50分過ぎまで実施され、米沢市側からは、近藤洋介市長、高橋貞義総務部長、遠藤秀一総務課長、渡部真也財政課長、田中将志教育総務課長、須貝洋介学校教育課長ら8名が説明にあたり、住民側席には、市議会議員5名、報道関係者3名を含む約30名が参加した。
 説明後に質疑応答がなされ、住民側からは、東成中学校の開校時期を3年間延期することに関しては、特に反対意見は出されなかった。小学生児童を抱える保護者からは、通学距離が伸びることでの学校への通学方法や制服などに関しての質問が出された。市当局は、開校がまだ先だったからか、通学方法に関しては「話が進んでいない」とし、現在の南成中学校、北成中学校の現状を説明した。
 住民説明会では、3月定例会の中で統合延期に関しての議会説明にはなかった、第七中学校や第一中学校の学区におけるクマの出没件数のデータも出された。近藤市長は、「事実として(クマに関する資料を)出させて頂いた。」と述べたが、住民に統合延期を働きかける上で大きな効果をもたらしたかもしれない。
 東成中学校の統合延期の問題は、大きな市民の関心事であり、市当局としては最新の注意を払って開催したものと考えられる。会場の模様は、オンライン配信(Zoom)が行われたが、報道陣には「会場の写真撮影をしないように」という事前の求めがあり、プライバシーへの配慮という観点からとは違う、これまでに無い市の対応だった。「皆さんのご意見をお聞かせください」というタイトルの説明会案内の文言が実現できたのか、この説明会の結果で議会にどのような説明と議案を提出するのか、今後の市当局の対応を見ていきたい。(取材 成澤礼夫)

2(写真左=米沢市立第一中学校:資料写真)
 説明会では、冒頭、司会者から「令和11年度に第七中学校と第一中学校との統合により開校としている東成中学校について、その開校時期を延期する考え方について説明し、保護者、地域の役員、地域の方々から率直な意見を頂戴しながら、開校時期の延期について今後どうしていくか、改めて検討させていただきたいと考えており開催するものです」と目的が説明された。
 はじめに近藤市長が、7年前に市内中学校を3校に集約し、学校の場所などを市議会で可決したことや、昨年後半に、(令和11年度に第一中学校と第七中学校を統合した場合)校舎の増築が必要になることが明らかになったことを述べた。さらに児童が減少している中で、(令和13年に統合を延期した場合は)増築が不要となるとし、「3年後不要となるものに貴重な税金を使うことが果たして適切な使い方なのか、効率的な(税金の使用に向けて)見直し論のきっかけになった。」と統合延期に関しての事情を説明した。
 また米沢市の財政状況は新しく市立病院と市役所を建設したことにより、現在、返済のピークを迎えていることや、市立病院の収支が予測以上に厳しく、赤字が膨らんでいること、南成中学校の建設費が予想を超えて60億円から80億円に増加したことなど、財政悪化に建設費、人件費、物価高騰の影響をあげた。
 近藤市長は、(帰宅途中の第三中学校生徒が熱中症の恐れで亡くなったことの)「悲劇は起こしてはならない。対策として、(体育館への)簡易的なスポットクーラーを設置しているが、しっかりとした空調設備が必要だ」と述べ、「この1年間、多くの議員から提案を頂いた。国も1/2を補助し、山形県内でも山形市、長井市、天童市、東根市が既に空調設備の設置を表明、計画し、着手している」として、令和11年の統合に関わって見込まれる建設費分を空調設備の導入に優先して使いたい旨を述べた。また第七中学校、第一中学校の学区でのクマの出没状況について説明した。
 
3(写真右=米沢市立第七中学校:資料写真)
 続いて、高橋貞義総務部長が、「(第一中学校と第七中学校の)統合延期については、確定したものではない」と述べつつ、「開校延期についての背景」、「開校を3年間延期する理由」、「開校延期に伴う影響」について説明した。
 その中で、令和11年度に統合、開校の場合、特別支援学級数の増加等により、第一中学校の内部改修のほかに3教室分の増築が必要となり、その改修費用が概算で10億5,400万円見込まれることや、南成中学校整備費用が約80億円と基本計画時よりも20億円増加したこと、学校給食共同調理場、北成中学校、広井郷小学校の整備費用などで教育予算が莫大となっており、市全体の財政状況が(令和6年度から)同13年度まで実質単年度収支マイナスとなり、厳しい状況が続くとした。
 一方、近年の夏季の猛暑により、熱中症対策を強化する必要性が高まり、学校体育館へのエアコン設置の要請が市民や議会から再三にわたり寄せられており、国は令和15年度までの期限で、学校体育館へのエアコン設置に対する補助金制度を創設し、設置を検討する自治体が増加している状況についても述べた。
 開校を3年間延期する理由として、「限りある予算の中で事業の取捨選択が迫られている」として、東成中学校開校を3年間延期して令和14年にして、その間に「全中学校の体育館へのエアコン設置を進めていきたい」と述べた。
 開校延期に伴う影響としては、小規模校としての教育環境が継続することや、「七中最後の卒業生になる学年」、「東成中最初の卒業生になる学年」などと既に学校で指導しており、令和11年度開校が児童生徒に意識されているとした。これらについては、「教育委員会事務局で対応を検討し、米沢市立学校適正規模・適正配置等検討委員会でも検討する予定である」と述べた。
 
 遠藤秀一総務課長は、東成中学校開校に伴う第一中学校の改修案比較表を、令和11年度開校を基準とした場合の「七中生徒数」、「施設整備内容」、「事業費」などの観点から説明した。その結果、実質単年度収支は、令和11年度に▲4億5,800万円を最高に、令和12年度に▲2億4千万円、令和13年度に▲2,700万円、令和14年度以降は、プラスに転じることや、財政調整基金の年度末残高は、令和11年度が15億1,200万円、令和12年度と13年度が12億円余りで最低となり、令和14年以降は、増加に転じ、令和15年度は16億3,100万円の見込みとなる。これらのデータから「米沢市の財政状況等を勘案し、統合を令和14年度に延期したい」と述べた。
 さらに、本市財政への影響について説明し、令和2年度時点に検討した第一中学校の施設整備費は約1億円だったが、令和7年度時点では約5億1,400万円に増加し、さらに将来的に必要な長寿命化改修を合わせて実施しようとすると、総事業費が10億5,400万円となり、国の補助や後年度の市債の返済に対する地方交付税措置を除く市の実質負担は、4.1億円+金利負担1.3億円程度(利率2%程度で試算)と想定され、各年度の実質単年度収支に与える影響は、3〜4千万円程度となり、大きな負担だと述べた。

 以上、米沢市当局から45分間の説明後、質疑応答の時間が設けられた。主なやりとりは次の通り。(回答者が分かる場合のみ回答者名を記載)
Q.:令和14年度統合となれば、現小学校4年生までが七中で過ごすことになる。制服、ジャージ、シューズなどはどうなるのか?お下がりをもらって着用している場合もある。
➡︎(須貝学校教育課長):現在、新しい制服は学校毎ではなく市内統一の制服。令和8年の南成中学校と北成中学校開校に合わせて令和6年度に導入した。東成中学校については、令和11年4月に1年から3年まで制服が揃うように、令和9年度の一中、七中の新入生から着用してもらえるように準備してきた。東成中学校統合が延期となった場合でも新制服への切り替えは行っていきたい。お下がりを使いたい、家庭の経済的な負担を軽減したいということが多くある場合、移行期間を設けることも今後検討していく。バッグ、ジャージ等も同じ考え方。

Q.:①体育館へのエアコンの設置は、どれくらいの費用がかかるのか?(統合がなされた場合)第七中学校は3年間しか使用しないのに、高額なエアコンを設置する価値があるのか?第七中学校のその後の利用方法は?
②熱中症とクマの出現で統合を延期するというのは腑に落ちない。熱中症とクマの出現は米沢市全体の問題であり、第七中学校特有の問題ではなく、先に統合した学校との整合性が取れないのではないか。
➡︎①(遠藤総務課長):エアコンは電気、ガス方式にもよるが、設置費用は、概ね、1億円から1億5千万円ほど要する。第七中学校は、その後は社会開放や避難所として活用できるので(エアコン設置は)無駄にはならない。統合の延期によって浮いたお金がどのように使われるのかは、各年度3,000万円から4,000万円が、実質負担の軽減となるので、それを活用しながらエアコン設置を進めていきたい。
➡︎②(近藤市長):クマの出現に関しては市全体の課題であるが、七中学区は非常に多いという現実をお伝えした。一中も合わせると市の全体の半分を占める。(スクールバス利用で)4キロルールが子供たちの安全面で、大丈夫かについては我々も正しい答えを持っていない。今のままでは万が一のことがあり得るので、きちんとした対応をしなければならないという問題意識を持っている。バスの距離を短くできるかというと運転手も大変であり、率直に言えば、近く(の学校)に通えれば安全である。事実として(クマに関する資料を)出させて頂いた。

Q.:①(令和)8年度の市予算で、条例にあるのに設計費用が入っておらず出し直したが、忘れて入れていなかったのか?市と議会が上手くいっていないことの背景は何か?
②統合したところ(の中学校)と統合しない所の教育格差について教えて欲しい。
③部活動が地域移行になるということだが、(生徒)数が多いところが有利になるのか、差が出るものなのか?
④上郷地区では、クマによる農作物被害調査はおこなっているが、法人は対象外となっている。
➡︎①:予算計上は市当局の問題だったと認識している。財政が厳しいことや、内部的にエアコン設置をしたいことがあり、議決案件だったが計上しなかった。議会から指摘を受けて、適切な予算計上ではなかったと反省し、当初提出した予算を撤回し、改めて東成中学校の設計金額を設けた予算を加える形で、当初予算を再提案した。我々の不手際だったと思っている。
➡︎②:教育格差に関しては、小規模校の教育が継続していく。仮に(統合が)延期となった場合は、その期間について教育委員会と市当局も関わりながら、開校延期による影響は極力低減する。どのような対応が取れるか、今後考えていきたい。
➡︎③:部活動の地域展開を今秋から本格的スタートする。但し、それは休日の活動であり、平日の部活動は今後も学校で行う。人数が不足すると、部活動の数が限られたり、大会参加する際に人数が不足して出られないということも起こりうる。大会参加は近隣の学校とチームを組んで参加できるようにするなど配慮する。平日の活動で人数が揃わないことにどのような方策が取れるか考えていきたい。
➡︎④(近藤市長):七中学区には万世地区も含み、(クマ出没も)多いのかと思う。改めて要因と状況を整理しなければならない。クマを見つけても報告しないケースもあり、出没はもっと多いかもしれない。子供たちの安全を守るためには、クマベルや猟友会の協力だけではなく、様々な手立てが必要である。

Q.:夏場は自転車通学しているが、冬場は悪天候となると歩くわけにはいかない。夏でも土砂降りの雨であれば送り迎えが必要である。第一中学校に通学するとなれば、通学方法に関心がある。バス停留所の箇所や便数がどれくらい出るかなど、他の学校の事例を教えて欲しい。
➡︎:通学は保護者が一番関心を持つ内容である。東成中学校についてはまだ話が進んでいない。現在の南成中学校、北成中学校では、遠距離通学はスクールバスを利用、場所によってはタクシー利用で通学補助を行なっている。遠距離通学は概ね4㎞で区切っているが、きぱっと4㎞で線引きができないため、4㎞から3㎞の間で外形上分かりやすい道路や幅を見ながら、スクルールバスエリアを決めている。
 天候によって、今日はバスに、冬はバスに乗りたいという意見も多く出されるが、バス会社のバスだということや、遠距離通学が補助の基準になっているため、冬だけとか天候によってというのは実施していない。
 南成中学校、北成中学校では、乗せる場所は公共施設や他に目印となるところで、自宅から1㎞の範囲内にバス停を設け、拾うというバスストップ方式。現在はバス停を短く取っているのが現状である。
 部活により帰り時間が変わる場合がある。バスは1日2便とか、3便と時間を区切って出し、下校時間に合う時間帯を朝のうちに選び、それで帰るという方式。

Q.:①現段階でも一中の先生の手が回らないと聞こえてくる。開校で人(生徒)が増えて、先生の目が行き届かないことがお金よりも一番心配なところである。
②令和11年度に開校した場合、米沢市の負債がどんどん増え、その負債でどのようなところに皺寄せが行くのか。
➡︎①:統合により学校が一緒になることは、簡単に進むものではないと心配している。開校の2年前から子供同士の交流として、年間に何回か、多い時に6回程度、交流会を行なっている。その中で校歌の練習や、子供同士が仲良くなれる活動をしている。新しい学校になることは先生方の負担もあるのは間違いない。先生方にとって働きやすい環境になるように考えている。
 子供たちに目が行き届かないということが無いようにする。統合後2年間は、教育支援員を置き、子供たちの不安や悩みにすぐ相談できるように配置や工夫をしている。(保護者の)心配の点は学校や私たちに教えて頂き対応したい。
➡︎②(渡部財政課長):東成中学校統合に関わる事業費は多額である。但し、その事業費が市の財政状況に与える影響は少しあるが、それによって市民サービスが低下するようなしわ寄せが出ないように、私どもも努力していきたい。
 既存事業の見直しも当初予算編成時に取り組んでおり、年に一度、市の総合計画に基づく実施計画を定めているので、その中で事業の優先度を見極め、取捨選択により優先度の高いものを選択していくという流れで市の計画は行われている。しわ寄せにならないように努力していく。

Q.:置賜総合文化センターの音楽室の空調が効かず、暑い時、寒い時も使えないという状況だ。市の管轄であれば、それは市の財政が厳しいからなのか。
➡︎(渡部財政課長):(置賜総合文化センターは、)市の公共施設、市の管轄であり、教育委員会が管理している。音楽室の空調に関しては、施設の改修にまだ取りかかれない状況にある。今年、観光スポーツ文化部という新しい部が設置され、建物の中に市職員が(新たに)入り、執務室として使用することになった。そちらの空調設備を優先させてもらい、音楽室の空調設備の改修はこれまで取り組めなかった。